先週は長谷川慶太郎先生の本を読んだと言いましたが、その続きで高橋乗宣さんの本を読みました。
ご承知のように長谷川慶太郎さんの本は「毎年楽観 日本は良くなる」という主張なのに対し、この高橋乗宣さんは「毎年ますます悪くなる」ということで有名です。
ちなみに以前聞いた話ですが、経営予測で必ず当たる方法がある。それは、良くなるか悪くなるか同じ方向で常に言い続けることだ。そうすれば、景気は上がったり下がったりするのだから必ずどこかの時点で当たると言われているそうです。
バブル崩壊後この高橋乗宣さんは注目を浴び出した人ですが、それは一貫して悪くなるという主張だったからです。私は読んでいて気持ちが良くなる本しか読みたくないので、ますます悪くなるという本は読まないようにしているのですが(どうせ将来のことはわからないのですから今の気持ちだけでも気分がいい方がいいと思っているから)、久方ぶりに『世界が日本を必要としている』という高橋乗宣さんにしては珍しいタイトルの本だったので読もうと思いました。
帯では、「2007年以降もフォローの風は吹く 日本経済は100年に1度の好ステージに立っている!」というものも付いています。
残念ながら、その中身は本のタイトルとは裏腹に一般的に日本経済の弱点と考えられていること、日本経済の格差の拡大、失われた10年、危機迫る双子の赤字のアメリカ、日本経済が直面する人口減少、財政赤字、格差問題・・・ということが書かれてあり、どういうふうに読んだら「これから100年に1度の好ステージに立っている」ということとどう結びつくのかわからない本の内容でした。
そう言えば、本棚を覗くと、この方の本で『2005年日米経済世界同時失速の年になる!(東洋経済新報社)』という本がありまして、2004年11月25日発行でした。少なくとも2005年は日本経済は良かったわけですのでちょっと気分が良くなりました。