『超「格差拡大」時代/長谷川慶太郎著(東洋経済新報社)』を読む
長谷川慶太郎さんの本は、講演がそのまま本になったような感じですのでよく読むのですが、最近言っていることは一貫しています。
デフレは続く。日本の技術は強い。デフレが生じるのは米国の力が強いからである。米国の力は3つに表される。①軍事力②金融市場(ニューヨーク)③政治力
従って、たとえ米国に輸入赤字があってもその米国に輸出してドルを獲得した国(日本や中国)は、結局その獲得した資金の運用をニューヨーク金融市場に持ってこざるを得ない。従って、ドルを印刷できる米国の力は衰えないという論法です。
特に、この本では大型の過去の歴史を見ても平和な時代にはデフレになり、且つ、平和の時代が長く続くときに超大型の投資が始まるということが述べられています。具体的には一番大きいのはロシアから海を越えて海の中にパイプラインをひいてイギリスまで天然ガスを運ぶというパイプラインの話です。ちなみにこの建設資金は140兆円という巨額になり、こういう設備投資は政治的安定がないとできない・・・等が書いてあります。
日本の技術に対する信頼性などの話もあり、気分のよくなる本です。