先週の土曜日にNPO法人についての研修を行いました。最近NPO法人がらみの問い合わせなどが多くなってきましたし、また事務所でも依頼を受けNPO法人を設立致しました。このため、ノウハウを事務所に広げようと思い、事務所で研修会を行いました。
NPO法人の設立は、準拠主義ということで基本的には条件を満たしていれば承認されるわけですが・・・。びっくりしたのは、もう既に22,000件のNPO法人が設立されており、多分年間5,000~10,000件は設立されるようになるのではないかということ、日本における有限会社、株式会社の総数が約270万社と言われていますから、その1%近くになるのでしょう。驚くことに米国では120万社ほどのNPO法人が既にできているということ、そして90万社くらいがNPO法人のうちでも更に税制優遇を受けられる法人(日本で言う認定NPO法人)となっているということです。ちなみに我が国では認定NPO法人が今度の税法改正でもっと認定されやすくしよう、税法の優遇を受けられるようにしようという話ですが、実際には10件もないとされています。
つまり、アメリカのNPO法人に対する寄付が税制上の優遇を受けやすい形になっているということですね。この考え方には背景に税金を払う人たちの希望通りに使うことが本来のやり方だ、つまりわざわざ国に税金を使ってもらわなくても自分でそれ相応の使い方(寄付の相手先)を決めるという考え方があるということです。
話が脱線しましたが、NPO法人の作り方を見ていくと、やはり県庁との2~3ヶ月の事前打ち合わせがかかりますので申請してから4ヶ月以内に設立という手続きを考えますと、申請するまでに2~3ヶ月の打ち合わせ、申請してから4ヶ月、最低でも合計半年程度はかかるのだなという感じです。株式会社であれば作ろうと思えば1週間程度でできますのでそれと比べると随分時間がかかると言えます。
ただし、法人格がない存在、いわゆるNPO、利益を目的としない団体は作ろうと思えばすぐに作れます。人の集まりですから。税法上では人格なき集団と呼ぶのですが・・・。税金は普通の会社と同じようにかかります。もちろん利益を目的としない会社ですから利益を目的とする事業(これは税法上収益事業と呼び、非常に限定列挙されています)を行った場合には普通に課税されます。税理士や普通の法人と一緒です。感覚だけで言えば、あまり気にすることはないなという気がします。なにせ利益が残らなければ法人税も何もないわけですから。ただし、消費税には要注意です。最近の傾向として市町村がNPO法人に事業を外注するという傾向が増えています。この結果、どうなるかというとややこしい消費税の問題が生じます。この問題を見逃していると痛い目にあいますので十分ご注意下さい。
しかし、話によるとNPO法人は規模が小さく、収益基盤が弱く、且つそこで働いている人たちもボランティア精神というか給与的には十分報われていないとされていますので、なかなか顧問の会計事務所を雇うことは難しいのでしょうね。NPO法人を作られたらぜひ税務当局に消費税について何度も相談に行かれることをお勧めします。
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