ロウアーミドルという言葉
大前研一さんの本(ロウワーミドルの衝撃)を読んでいますと、M字型いわゆる中流階級の上と中流階級の下(はやりの言葉で言えば下層階級 大前さんの言葉で言えばロウワーミドル)に分かれていることについて、最近次のような記述があります。
最近、景気がよくなってきたと言われている。従って、給与が上がるという期待が出てきている。これには景気が悪いから給与が上がらない、景気がよくなってきたから給与が上がるという考え方が背景にある。
しかし、考えてみればわかるが、今は成果主義といって会社に貢献してくれる人にたくさんの給与を払いたいというふうに企業は行動している。
従って、仮に景気がよくなり、給与の原資が増えたとしても、その部分は基本的には業績に貢献している中流階級の上の層に配分されるのではないか。結果的に中流階級の下には給与が上がらないのではないかという趣旨の記述があります。
これはアメリカの30年間続いた現象です。つまり、中流階級の下の人たちの平均的所得は基本的に下がり続けたという記述です。
日本企業は甘いという性格がありますので、いわゆる大企業はどうなるかわかりませんが、新聞報道等で見ていますと大企業と言えども一律全員引き上げるのではなく、トヨタの場合のように従業員に払う総額は増加を要求していますが、従業員個々人にどういうふうに配分されるかまでは口を挟まないというような動きが出ているようです。
これも成果主義が広がっているせいでしょうか。日本の給与もM字型になっていくのでしょうか。
給与水準は下がっている
給与水準について私が言いたいのは一つです。
中小企業にとって、安易に給与を上げられる状況ではない。TKCという会計事務所のグループがありますが、そこでとっている中小企業の給与データを見ますと、相変わらず下がり続けています。
北九州の男子 13010人の統計
男子 平均年収 平成16年 平成15年
25歳 2905千円 2905千円
28歳 3264千円 3264千円
31歳 3667千円 3667千円
34歳 4120千円 3887千円
37歳 4120千円 4120千円
40歳 4367千円 4367千円
43歳 4367千円 4629千円
46歳 4367千円 4629千円
49歳 4367千円 4629千円
52歳 4629千円 4629千円
55歳 4629千円 4907千円