富裕層について
今年のお正月以来、富裕層という言葉をよく目にしてきました。「景気が回復して百貨店などで高額な商品が売れ始めている。それは富裕層がお金を使い始めたからだ・・・」ということです。
では、富裕層とは何か?お金持ちという意味でしょうけれども、その定義はどうなっているかと色々なところで話を聞くとこういうことがわかってきました。
富裕層というのは、金融資産(土地資産ではありません)を1億円以上持っている世帯のことを富裕層というらしい。
本当の富裕層は、金融資産が5億円以上であり、プライベートなサービスが受けられる世帯だそうです。そして、日本には、この金融資産5億円以上持っている世帯が約6万世帯ある。
次に金融資産が1億円~5億円の世帯が約72万世帯ある。この層を大衆富裕層 マス富裕層という。
合計78万世帯が富裕層ということになります。
一方、富裕層に次ぐ者として金融資産が5000万円~1億円くらい持っている富裕層予備軍というものがあり、これが約246万世帯あるという統計でした。
その下に中流階級がある。
最近、上流社会、下流社会という言葉が流行っています。中流階級の中でも下の方を、中の下を下流社会と呼ぶそうです。
そして、本当の意味での下層社会があります。『週刊ダイヤモンド』には次のような数字が 書いてありました。自己破産24万人、生活保護104万世帯、ホームレス2万5000人、ニート64万人という数字です。
いわゆるサラリーマン、例えば夫婦とも公務員で働いているような世帯は退職金等をもらうと最終的には1億円程度の金融資産を築くことができるというような話もあります。
今思うのは、富裕層、富裕層と言っているのは単にお金を使わせたいと思っている会社側がお金をいかに効率よく集めるか、あるいはターゲットを絞った方がマーケティングがしやすいのでそのために言っているというふうな感じがします。
派手にお金を使うこと、イコール富裕層というわけではありません。
また、ある記事を読んでいたらこういうことが書いてありました。
「今、日本の景気がよくなってきたと言われている。富裕層という言葉も広がっている。しかし、3段階あることを忘れてはいけない。
普通でいうお金持ち、所得が毎年数千万円単位である方、例えば開業医の先生、弁護士の先生、あるいは儲かっている中小企業の社長、更には外資系証券会社の会社員などがこれらにあたるのでしょう。これらについては豊かではあるでしょう。しかし、数千万円単位である。
この上の層がある。それは何か。株で儲けた方々である。株を上場した方々はもちろんですが、それ以外にもいわゆるデイトレーダーで成功した方々である(デイトレーダーで成功するのは相当難しいようです)。この方々の所得は、少なくとも数億円から数十億円単位である。この人々がお金を使い始めてきた、お金を使うことへのためらいがなくなってきた(自家用ジェットを使ったというヒューザーの社長やホリエモンの話など)。
今景気がよくなってきたのは、一般サラリーマン層に相当のリストラを行い、経営改善に努めてきた大手企業が史上最高益を出すようになってきた。従って株価も上がり株を持っている世帯 富裕層の世帯がバブルの時と同じようにお金を使い始めた。
次にこれから大手企業のサラリーマンのベースアップ、いわゆる賃上げをやろうという話が出てきている。
この流れが中小企業の利益も増えて、結果的に中小企業のサラリーマンの給与が上がるまで相当長くかかるであろうし、また今の景気がよくなってきているという流れが日本史上の最高利益拡大、景気が良い期間であることを忘れてはならない。
中小企業のサラリーマンにまで現在の好景気感が実感されてくるようになるまでは、まだ相当期間がかかるのではないのであろうか。あるいは、中小企業のサラリーマンがそれを実感する前に既に景気が悪化してしまうのではないか。」というような記事でした。
まあ、中小企業と言っても私の見ている範囲で言えば、景気のいい会社もあれば、景気の悪い会社もある。景気の悪い会社の数が減って、景気のいい会社の数が増えてきはじめたのかなという気はしますが、まだまだ厳しい会社も多いです。
そういう中でこういう富裕層という言葉が目に付くのは複雑な気がいたします。