平成17年度の国家予算 》
(単位:兆円)
【収入】
税収 44
国債発行 34
その他 4
合計 82
【支出】
国債 18
地方交付税 17
一般歳出 7
合計 82
今日本の国の財政をわかりやすい言葉で言ってみれば次のようになります。
普通の家計で言えば、月給44万円もらっている.
地方の大学へ行っている子供(地方自治体)はアルバイト(地方税)をしている。それでも生活費が足りないと言っているので17万円仕送りしている。一方で、本人世帯でも47万円はかかっているので合計64万円生活費がかかっている。給料は44万円なので当然ながら毎月20万円不足する。そこで、貯金等の取り崩しで4万円補っているが、それでも足りないので毎月34万円を借りている。(ただし、もう既に借りている支払利息も支払わなくてはいけないし、一部は返済に向けなくてはいけない。たとえ34万円借りても18万円がそれらに消えてします。本当にその借入が家計に役立つのは16万円である。)これでなんとかやりくりしているというのが国の財政です。
今低金利で一番メリットを受けているのが世界一の借金持ち、日本国ですから、低金利はもっと続いてくれなくては困るというところでしょうか。
日本は2年前から増税路線をとると宣言しています。つまり、あと5年後、2010年位には月給と家計費とをとんとんにしたいというのが、国の考えです。例えば昨年末の年末調整では、配偶者特別控除が大幅に縮減されたために、給料は変わらなくても、奥様が専業主婦の方は、還付を受けた金額がかなり減ったのではないのでしょうか。さて、今年、平成17年度も既に増税路線です。
① 定率減税の半減 → 全 廃
(平成17年) (平成18年)
定率減税が大きく新聞に取り上げられています。最終的には3兆円を超える増税になりますが、今年平成17年で言えば関係ありません。一般のサラリーマンが平成18年の一月から目立たぬように毎月の給与から少源泉徴収される所得税が1割ぐらい増えるという話です。
また一般の個人事業主は、平成19年3月の所得税の確定申告の際に初めて定率減税の恩恵が減るというわけですから、とりあえず今年1年間は実際の税額で言えば影響はないのですが、なにせ増税というアナウンス効果は大きいものですので消費者の気持ちに与える影響が心配されているところです。
② ビジネス・法人経営者の目から見た税法改正の重要事項
会社を経営されている方やビジネスパーソンから見た場合の税法改正のポイントは5つあると思います。
(1)人材投資(教育訓練)減税
従業員教育費に応じた減税
どうやって教育訓練費を把握し、計算するかという問題が生じます。
(2)海外を使った租税回避への課税強化
ようやく法律で規制するという流れができたようです。
(3)経営革新支援法の廃止の一方で、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」が制定される。あるいは“LLP”法人が設立される予定。これに伴い、様々な税制上のメリットのある制度が導入される予定。
(4)組合形式で行う不動産等の節税商品等(レバレッジドリース、船舶リース等)が事実上不可能になる。
(5)とぼけた話だが、「税法上の取扱いの変更」という形で定期借地権の権利金の取扱いが明確化されました。
定期借地権に係る一時金(権利金)の前払方式による処理が明確化されたこと。従って、これからは敷金・保証金方式の定期借地権の設定よりも、賃料の前払いとしての一時金(権利金)の方が有利になりますので、この活用方法を色々考えることになっていくと思います。
③ 改正よりも大切なこと
増税の報告が、より明確化されたこと
・ 消費税の増税(平成19年4月頃か?)
・ 株売買・受取配当金の大幅税法改正とあわせて国民納税者番号制度(選択式か)の導入
. びっくりするような所得税法の仕組みの改正がありそうです