著者:大嶋祥誉
経歴:米国デューク大学Fuqua School of Business経営学修士(MBA)修了
米国シカゴ大学大学院人文科学学科修士(MA)修了
マッキンゼー・アンド・カンパニー、三和総合研究所(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)等にて、経営戦略などのコンサルティングとベンチャー企業支援に従事。
センジュヒューマンデザインワークス代表取締役に就任。
世界的なコンサルティングファームであるマッキンゼー&カンパニー。
マッキンゼー出身者で、各界で活躍するものも多い。
大前研一氏、勝間和代氏、南場智子、茂木敏充氏など。
本書は、マッキンゼーの「新人研修」で学ぶ問題解決のエッセンスが紹介されています。
おもしろい指摘は数々ありましたが、なかでも、下記の点が新鮮な内容でした。
お客様とのコミュニケーションに生かしてゆきたいと思いました。
①人の話を「意見」と「事実」に分解して聞く
たとえば、相手が「ウチの会社の会議はつまらなくて、時間も長い」と話していたら、「そうなんですね」と肯定しながらも、そんなふうに言っているけど、それはその人の「意見」だなと自分の中で分類します。
そのうえで、なぜそんなふうに感じるのかを、さらに聞き込んでいきます。
すると、じつは会議の中身がほとんど「議事の説明に費やされて、創造的な意見や提案がない」というのが事実であり、これが「真の問題」なのだと、発見することができるようになります。
それであれば、時間の長さが問題なのではなく、創造的な議論ができるような工夫ができていないことが問題だなと思考をクリアにさせることができるわけです。
②「学ぶ姿勢」で相手にかかわっていく
「いい質問」にはシチュエーションによって、いろいろな定義があると思うのですが、私が思う「問題解決につながる、いい質問」とは、判断する姿勢をいったん脇に置いて「学ぶ姿勢」で相手にかかわっていくことです。
「きっと、こうに違いない」と最初からジャッジメントして、その勝手な答えに沿うように質問していくのでは、問いの核心には近づけません。
決めつけを止めて、相手から「自分がまだ知らない情報」や「自分にはない考え方」などを学ぶ気持ちで質問していくと、相手も自分も気付かずに見落としていたことや、新たな可能性につながるキーワードが浮かび上がってきます。
(紹介者:嘉見)