著者 鍵山 秀三郎
発行所 PHP研究所
「掃除の神様」として知られるイエローハット創業者が綴った珠玉の言葉。
昭和8年生まれの著者は、当事デパートでさえもトイレ掃除にあまり意識がなかった時代に、同僚からも奇人変人の扱いをうけながら、率先して職場のトイレを綺麗にしていったという。
何故、トイレ掃除にそこまでこだわったのかは、「掃除道」という著者の本を併せて読んでいただくとして、片手に収まる程度のコンパクトなこの本。
本を開いていくと、見開き2頁で1つのタイトルが完結する、非常に読みやすい装丁となっている。しかし、その軽い外装とは裏腹に、内容は濃いものとなっており、きついブラックコーヒーを想わせます。
「どちらが正しいか」ではなく「何が正しいか」
「自分との約束を破らない」
「よい経験を積み重ねる」
「一点突破、全面打開」
本題“困ったことばかりでも、何かひとつはよいことがある”は、第四章 「勇気がいるのは最初だけ・・・仕事の困難を乗り越えるために」の二つ目のタイトル「分けて考える」の中に納められています。
自分の人生を振り返ってみると、置かれた状況は困ったことばかりであったが、例え99%困った状況であっても1%、いや0.1%は必ず光明が射すと信じて、その一筋の光明をたよりにして、丁寧に進むべき道を手探り寄せながら、少しずつ道を太くして活路を開いてきたとの思いが述べられています。
著者の貴重な経験を余すところ無く伝えているこの本は、企業の朝礼や各地の輪読会のテキストとして
使われているのも、納得するところです。
(紹介者:山崎)
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