ドラッカー名言集『歴史の哲学』を読んでみた。
気になったのは、次のところである。
国が行う景気刺激策は効果をあげることはできない。
ケインズの政策は貨幣の流通速度が一定であり、短期的には個人や企業に左右されないことを前提とする。ところが、ジョセフ・シュンペーターは50年前、現実はこの前提を既に否定してきたことを指摘していたという。
この貨幣流通速度が急速に落ちるということは日本がバブル以降20年間苦しんできた事項、即ち、日銀がゼロ金利政策をとり、国が大量の赤字国債を出してまで公共投資を繰り返してきたにもかかわらず、実際にはお金は出てもお金の流通速度が下がっていく一方であった。単純にいえばお金は増えてもGDPは増えない。昔マーシャルのKとか習ったような気がする。この結果として、お金が流通せずデフレを招いた。以上はここ20年間の日本の歴史が証明したところでもあります。
このようなことをドラッカーの歴史の哲学、経済政策というところを読んでみて、確かに日本のバブルの後の事例によくあてはまっている。ということは、はたしてアメリカやヨーロッパなどが大量のお金のばら撒き政策(クリーンエネルギーへの公共投資や銀行への資金注入など)をやってもうまくいかないということも考えておく必要があるのだろうと思いました。