友人の会計士の遠山さんが
ガルブレイスの「大暴落 1929」を読んだ感想を送ってくれた。遠山秀幸公認会計士事務所
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ガルブレイスの「大暴落」によると、1920年代終わりまで株価はどんどん上昇し
、信用取引も盛んで投資信託も多く組まれていた。
しかし、1929年10月24木曜日から、直近高値から45%暴落、一旦は持ち直し
たかに見えたが、その後3年近く株価は下落した。
そして、株価暴落に伴う信用収縮の中で世界恐慌が始まる。
1932年にはアメリカの株は高値の10%、GNPは60%となり失業率は25%と
高くなった。
金利は低くなり、物価は下がっている。
著者によると原因は
1、富の30%が富裕層に集中しており、株投資の失敗により消費も投資もか
なりの額が 減少した。
2、企業についても同様。
3、銀行は脆弱で連鎖倒産が多発した。預金者は預金を引き出せなくなり消
費も投資も激 減した。
4、専門化が無能なアドバイスをした。
例えば、財政均衡を優先すべきだと。
5、これらが影響しあって経済を縮小し、それがまたループしてさらに縮小悪
化させていった。
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上記案内もあり私も『大暴落 1929』を本屋でさがして読んでみました。
バブル崩壊、株価暴落の後に必ず読まれる恐慌論の名著というキャッチフレーズにひかれて読んでみました。
ガルブレイスは有名な経済学者です。
1955年に初版が発行され、株価暴落の起きた時(読んだ本は1997年版)には必ず、再版されると前書きにあります。
アメリカの大恐慌が起きた1929年の頃の状況を淡々と記載されている本です。この本の出版の目的は1929年の出来事を書き綴ることであって、再発するかどうかなどを予想するものではない。単純にこの本に書いてあることは、恐慌、株価の暴落は予期しないときに予期しない形で起きる。何が直接の原因かはわからないという考え方です。
結びは次のような言葉です。
『時代が悪化していると知りながら、人はあの言葉を口にするのだ。状況は基本的に健全であると。』
さて今度はどうなるのでしょうか?