.ERP
パソコンと言えば、パソコン会計は今常識になっています。私どものお客様でパソコン会計でないのはクリニックの先生方くらいでしょう。先生方はクリニック内で会計作業をするよりも外部に依頼した方が安くすむので自分のところではやっていないというケースです。
そして今、そのパソコン会計の世界に大きな波が寄せてきています。パソコン会計で有名なソフトは、弥生会計(あのライブドアがM&Aで買収しました)や勘定奉行などですが、パソコン会計の次にERPの波が来そうです。
ERP(Enterprise Resource Planning)とは、全社的な業務管理、会社全体の経営資源の計画的な活用を計るコンピューターのソフトウェアのことです。財務、会計、購買、生産管理、在庫管理等ホワイトカラーが担当する全社的な管理業務に使用されるソフトです。ERPの特徴は、既製品でパッケージされているので導入コストが数億円単位ですみ(安い!)、基幹業務を広くカバーするソフトで主に上場会社クラス向けのソフトです。関連部門ソフト間で業務の流れに沿って自動的にデータをやりとりするため、データの移し替えの作業が不要で、更にソフトの使用に併せて実際の業務の流れを変えてしまうという特色があります。ERPを導入すると日本の企業の特徴でもある各担当部門、各担当者が重複して担当している業務を無駄な仕事として節約して管理業務工程数を2割~4割削減できるとされています。財務会計では勘定奉行に負けてしまったので、ある財務会計ソフトウェアの上場会社がERPに起死回生を狙って力を注いでいるが、中小企業向けはコスト的になかなか難しいとのことです。
ところが、アメリカの状況に詳しい方の話によりますと、米国では既に中小企業向けのERPソフトの販売が始まっているそうです。「MS Great Plains」というERPソフトでマイクロソフト社が開発。現在はまだ英語バージョンですが、今年の秋には日本語バージョンも発売されるとのことです。一言で言うと優れものですね。価格も安く、リースにすれば月々20万円くらいで導入できそうだと。もちろん日本のことですのでかなり高い金額、少なくとも数千万円単位のところから販売開始されるでしょうが。今まで数億円単位と言われていたソフトが数千万円単位から導入できるだけでも利用者は大幅に増えます。恐らく私の勘では、当初のパソコン会計のときと同じように中小企業の中でも大手から導入が始まり、だんだん規模が小さいところに落ちていくという形になるでしょう。会計・財務ソフトだけでなく会計事務所もERPソフトを知っていないと話にならないと思います。実際にチェックされている方の話では、財務もしっかりできていて日次決算も簡単にできる。マイクロソフトという世界一の企業が膨大なカネを投入して業務ソフトを作ると「すごい!」というのが正直な感想です。これでやると、経営者が見たいデータや日次決算はそれこそ毎日容易に出ます。すると会計事務所の役割も変わってくるでしょう。
コメント