香港の税務会計
東京で行われた会計士のグループの研修会に香港からCWCC(200人程度の会計事務所、主に香港を本店とし中国に支店を出している会計事務所)のパートナーがやって来て、香港への進出を促す色々な税会計制度について説明してくれた。
法人税の税率、香港16.5%、シンガポール17%、中国本土25%。
所得税、香港15%、シンガポール20%、中国本土5-45%。
付加価値/消費税、香港0%、シンガポール7%、中国本土17%、等の説明があった。
会社を設立するのも、ビザを取るのもかなり簡単であるらしい。
香港に会社を作り、そこを経由して中国等へ企業進出する場合の税法上のメリットの説明もあった。
テクニカルな話が非常に多かったのであるが、それよりも驚いたのは香港に日本企業の進出を促すため香港の政府の部門として、香港経済貿易代表部が日本にも置かれていること。香港の会計事務所が日本の企業の進出の為に2時間足らずの研修会の為に香港からわざわざ日程を合わせて来ているとのことである。
そういえば、日本ではジェトロといって有名な日本の輸出を支える事業団もありますし、逆に同じジェトロが日本への企業進出を頑張っていますが、勢いが違うと改めて感じました。要は、香港にお金がくれば働く人が増えるわけですから、香港経済とそこで働く人たちが豊かになるわけですから香港の意気込みも分かります。
法人税の実効税率は日本も40%から5%程下げようということを今言っています。日本の政府税制調査会で検討しているのですが、別に法人税を安くしようという検討ではありません。課税所得×税率が法人税額です。この税率を下げよう、法人税額は下げない、即ち課税所得の方を増やすということを言っています。つまり、税率は下がるが、税負担は現在と変わらない(企業の全体として)という考え方です。
5%下げても34%です。香港の16.5%とかなうわけがありません。一般的にEU諸国が20%から25%の間と言われていますから、いかにも日本の税率は高すぎます。
グーグルの決算書を見てましたら、米国の法人税の連邦税率は35%であると書いてありますが、実際の税引前所得に対する所得は20%でした。それについての注記では、米国外の安い税法の活用である部分が大部分という注記がついておりました。
これは相当難しいですよね。
コメント