経営者の勉強会に参加(前回の続き)
30年間の経営の失敗とというテーマで30年間経営に従事し色々な失敗をしてきたが、それを乗り越えて対応策を行ってきて現在の今があるという具体的な話であった。
失敗の例 1
大口顧客、同一業種への集中
お客様の業種を、特定の1つの業種に絞り込んだために、その業種が悪化した場合に、すぐに売上がなくなった。1件の大口顧客に集中したため、その会社が倒産し、倒産の危機に瀕した。
対応
現在では100社以上にお客様の数をわけ、且つ業種も散らばせるようにしている。
一つのお客様に20%以上の売上が集中しないように行っている。業種の今後の動向に注意を払っている。特に国の補助金等によっている場合は、その補助金等の制度の変更に急速に業種ごとの業績が変わることがあるので尚更、注意を払っている。
建設関連ではスーパーゼネコンとしか取引をしない。一般の中小建設会社はリスクが高いと考えている。下請けや大手商社を通して粗利が低くても貸倒れがこわい。
失敗の例2
労働災害、工場での事故が多かったし、事故があってあたり前の仕事だという意識でいた。
対応
トップ経営者の交代と共に、安全改善活動を徹底して行っている。トップダウンからも行い、且つボトムアップからも行っている。
改善提案については、従業員からの細かい提案の改善活動を行っている。改善活動の為には金を使っている。会社の清掃も安全改善活動の一部である。
失敗の例3
中小企業(10人程度からスタート)である為、給与体系らしい体系がなく経営者の思いつきの給与であった。この為、残ってほしい人材が辞めるということが目立った。
対応
将来の自分達の給与水準が分かるように給与体系を整備した。査定のやり方も改善、工夫している。但し、リーマンショック後の急激な売上の低下には、やむを得ず給与を一部カットした。雇用調整助成金をもらって、なんとかリストラはせずにすんだ。
失敗例 4
受注生産業であり、且つ多品種少量生産である。工場は大変忙しいのだが、利益がなかなか出なかった。
対応
原価計算(工場であるので、それぞれの仕事で働いている時間と材料費が大必要なデータになる。)を行い調べたところ、商品の原価見積もりが甘くなかなか儲かっていなかったということが判明した。IT化を進め受注生産ごとに原価計算ができるような仕組みを導入した。このシステムは外注すると数千万円かかるため、自社(自分)で独自に開発していった。
経営者の勉強会で学んだこと
大企業でも潰れる時代だ。まして、中小零細企業は潰れない方が珍しいと覚悟する。
だから日頃から真摯に経営に努力しなければ生き残れない。人は必ず失敗する。失敗を社員全体で共有し検証して対策を考えるシステムを作らないとまた他の人が失敗を繰り返す。
成功だけしていた会社はかえって危ない。失敗を繰り返し対策をとり、改善していかなければならない。良い会社、悪い会社などは無い。良い社長、悪い社長があるだけだ。中小企業の経営は90%以上社長で決まる。経営の責任を社員や政治や経済状況のせいに転嫁しても何の解決にもならない。常に謙虚で反省し人に学び社員に学ばなければ社長業はすぐに裸の王様になってしまう一番の職業だ。特に「中小企業の経営は90%以上が社長で決まる」という一言はとても厳しく胸に響いた。
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