ドケチ道 どこをケチり何に金をかけるか 山田昭男 東洋経済新報社
未来工業株式会社の創業者である山田昭男さんの新刊が出てました。
本音で話す好きな経営者なので早速読んでみました。
未来工業という会社は岐阜に本社がありスイッチングボードと呼ばれている戸建て住宅などの建築に使われる電気部品を製造販売している会社です。名古屋証券取引所上場。
創業者の山田昭男さんは経営者の中で有名なドケチ(節約経営)であり、ビデオ等にもなっております。福岡で開かれた経営者の大会に山田昭男さんがいらっしゃってて話を聞かせていただくこともありました。とても楽しい方です。
今は既に80歳になってらっしゃるかと思うのですが、本の語り口は元気いっぱいでした。
会社の本社事務所内の諸経費の節約について未来工業でやっている内容が色々書いてあります。
ドケチという名前で笑い飛ばしてある色々な節約する技がそれぞれ経営のことを真剣に考えて実行しているということです。無駄な経費をやめて社員の福祉に当てる方法です。
私の目から見ると少し異論もなります。ドケチでこの会社が成長したのではない。
この会社が成長したのは、ユーザーサイドに立った新商品の開発を徹底して行っていることが一つ、大手問屋を通じて工務店に商品を販売しているの(大手工務店→二次問屋工務店という流れ)ではなく全国に直接、中小の問屋や実際の工事を行う工務店を会社の営業マンが訪問し、未来工業から直接中小の問屋に販売という営業ルートを確立し、工務店、あるいは中小問屋の顔が見える事業を行っていること。この2つが未来工業の成績を支えている本質的なところであろう。
そして、このドケチ商法とでもいうユニークな経営方針、従業員をまとめるやり方、作業効率を上げること、高い給料を払うことがあいまって未来工業のビジネスが成功しているのであろうと思います。
本の中でも少しだけ触れてあるのですが、戸建て住宅マーケットの縮小に伴い未来工業も業績が落ち込んできているのようです。今後どのように活路を開くのかなるのか楽しみな会社です。
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経費については徹底した節約をしている。
目的:ドケチとは社員にコスト意識を植え付けること
例
引きひもスイッチの蛍光灯は、席を離れるときはこまめに切る
エレベーターは行き先階のボタンのみ、「閉」ボタンを押すのは厳禁
コピー機は社員が330人の本社に1台だけ…
会社からの年賀状、お中元等は絶対に贈らない…
逆に社員をやりくりさせる為に徹底した高待遇を行っている
年間休日140日
就業時間は朝8:30から夕方4:45迄。1日7時間15分、残業禁止