昨日の続き。『がんのひみつ/中川恵一(東大病院放射線科准教授)著』から印象的な言葉にぶつかりました。
日本人は死なないつもりでいるという話です。これは、死を迎えるのが病院ということで、身の回りから消えてしまい(在宅で身内が死を迎えることが急減した)
、自分は死なないと思ってしまっていることであります。
子供の出産や死亡率の高い小児科においては、病院に連れて行けば生きるのが当たり前で、万一亡くなってしまった場合には、すぐ医療訴訟が起こりやすいとのこと。
死なないという感覚はがんの治療において完治のみを追及することにつながり、緩和ケアという世界にはつながっていないという話がありました。ちなみに、この本ではがんの半分が治ると書かれてありますが、逆に言えば、がんの半分は早期発見でも残念ながら治らないということでもあります。
「人は全員死ぬのだ、命には限りがあり、それにより尊い」ということを考える必要があります。私は今50代ですが、友人の中には事故で早く亡くなった人もいまが、また、60歳前にがんで亡くなった人が出てきています。
『がんのひみつ』という高校生向けに非常に易しく書かれた本なのですが、色々なことが理解でき、教えてもらった本でした。