『ウォーターマネー「水資源大国」日本の逆襲/浜田和幸著(光文社)』を読む
光文社が出しているペーパーブック版を読む。
光文社の本は話が面白おかしく書いてあり、且つ極端な結論を出す方向で書いてあるので読んでいて気楽で面白いものです.
『ウォーターマネー水資源大国 日本の逆襲』に書いてある内容のうち、面白いと思ったのは、今石油の値段が上がって色々な影響が出ていますが、それ以上に生きる上で欠かせない水が確実に不足しているという内容の本です。
ひとつは環境汚染や地球温暖化による影響であり、もうひとつは人口の爆発であります。本の記事を引用すると、今から60年前、第2次世界大戦が終わる頃世界の人口は20億人であった。それが60年後の現在では60億人まで増え、さらに中国とインドが工業化することにより急速に人口を増やそうとしている。この結果、水が不足する。人が飲むだけの水ではなく、工業にも水を使うし、農業にも水を使う。
よく日本は石油エネルギーをあまり使わずにGDPをあげていると言われるが、水については極めて豊富に使用している国であるとのこと。
記事で面白かったもうひとつは、中国で急速に環境汚染、特に水の汚染が進んでおり、大きな問題を起こしている。すなわち、環境汚染された水を使った水産物(中国産うなぎなど)や飲み水そのものの汚染である。この記事を見ながら、日本も東京オリンピックの後に公害(四日市スモッグや水俣病など)が大きく取り上げられ、公害防止に対する国の方針が大きく変わったことを思い出しました。
環境産業というとすぐに石油価格の高騰と地球温暖化への対応で、太陽発電や代替エネルギーのことを思うのですが、もうひとつ水資源への対応というものが極めて大きなテーマだなと感じた本でした。