身近な会社でMBOが発生しました。
これをきっかけでMBOに興味がわき、実際にMBOのコンサルティングをやっている方の話を伺いましたが、基本的にはこういうことのようです。
株式上場 IPOというのが、企業の成長段階でより資金を集め成長のために行われる。
オーナー社長にしてみれば企業を成長させて公開するということは一つの達成感はある。しかし、現実のキャッシュ、どの程度個人的に資金が入ってきたのかということによると極めて難しい世界がある。よほど大きな企業は別にして、通常の企業だとオーナー経営者はその株式の一部を公開上場するときに売却することができるが、それ以外は基本的には保有し続ける。
オーナー社長がずっと株を売り続け、持株比率が下がっていく。要するに、オーナー社長がもうこれ以上この会社の株を持っていても仕方がない(持株比率が下がっていく会社の株は他の株主も買いたくないですよね)といっているようなものです。
従って、IPOをするときにある程度の売り出しを行い、オーナー社長は個人的に資金を手に入れることができる。うまく成長すればジャスダックに1回、新興市場に上場したときに1回、東証1部に指定があったときにもう1回という形で、新規売り出しができる。しかし、それ以降は実質的には株を売ることはできない。
うまく上場後も成長できたとなると、財産は膨大な財産評価額(持株×株価)を持っているが、実際に使えるお金は公開したときに売り出した分のお金しかない。
ということは、オーナーが引退しよう、あるいはキャッシュが必要だというときに対しても資金がないことになる。そこでファンドの方がMBOをもちかける。オーナー社長にとってみれば、その株式を売却すること、つまり自分が持っている株式を売却に伴い、現金化するこを意味する。
そして、次の経営者の世代がファンドと一緒に株式公開を目指していく、あるいは転売していく(ファンドの人は出口と言うそうですが)ことを目指していくのだそうです。
そのMBOのコンサルタントの方が仰っていたのですが、大体5年、1年あたり10%以上の利回りを目標にMBOしていくようファンドは計算していくという話でした。
MBOはたしかにファンドにとってはおいしい話だとは思います。既にある程度実績がある企業をもとに計算できますし、現実に経営している方々が今後とも経営していくのですから、今後とも確実性が高いとも言えます。また、最近はサラリーマン社長がMBOの受け手、経営者になっていくつかの成功事例が出ているという話がありました。