東京都では新銀行東京の不良債権問題、東京都が設立した銀行が貸出した中小企業への貸付金が不良債権となっているため、石原都知事に対する責任問題等の話が大きく新聞に取り上げられています。どうも私が身の回りを振り返ってみると、最近中小企業に対する目が厳しくなってきているような印象があります。
長崎県ないの中小企業はきついという話も聞きました。
中小企業に対する融資は一時貸しはがしと言われるほどひどい時もありましたが、ここ1~2年は問題になるような事例は私の周辺では聞いていませんでした。 しかし、どうもキナ臭くなったような気がします。
実は、「金融検査マニュアル中小企業編」(金融庁が公表している銀行の中小企業に対する融資が不良債権かどうかを判定するときのルール)が平成16年2月に改定されているのですが、それについての解説のようなものが昨年の12月に金融庁検査局から公表されており、また新たに今年の2月に「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編がわかる知って納得)」という、いわゆる金融検査マニュアルの解説が金融庁から公表されています。なんで今の時期にこういうものが改めてできたのだろうかということがよくわからないのですが、政治的な話なのかもしれません。なにせ、金融検査マニュアルが中小企業の融資に悪い影響を及ぼしているのではないかという質問が国会でもなされているようですので、それに対する反応なのでしょうか。
それらの中で金融庁が主張していることは、金融庁の検査のため融資をできませんなどと銀行はいってはいけませんと言っています。銀行は金融庁検査のために貸せませんなどとはいうなということです。
足繁く中小企業の元に通い 経営指導もやりながら 数字だけではわからない中小企業のよい点を銀行のリスクで 責任で見つけ出して査定してね。ということのようです。
金融庁のルールでは貸してはいけないところであれば、そういうところに貸出したとすれば、貸しはがしみたいなことがまた始まるのでしょうか。