子供たちにどんな能力が必要なのか?
~最近読んだ本から~
『ハイコンセプト~「新しいこと」を考え出す人の世代~』
(ダニエル・ピンク著、大前研一訳/三笠書房)
インターネットの急速な発達で、活字を追えばわかる知識の大半は、Google検索により無料で調べられるようになりました。「日本語」という参入障壁のおかげで、わが国は若干「英語圏」の先進国よりは緩やかなペースかもしれませんが、単純作業の多い低付加価値業務の国外移転のみならず、知識情報業務の国外移転、コンピューターへの置換も着実に進んでいます。
この書籍の中では、こうした時代のトレンドの中で、私たちが生き残るためには、これまでの左脳系の知識経験に加えて、右脳系のセンスを磨くことが極めて重要だと説いています。(決して左脳系の基礎能力がなくてもいいとは言っていない点に留意が必要です。)
6つのセンス
① モノがあふれる時代に必要なのは、「機能」だけではなく「デザイン」
② コンセプトの時代に必要なのは、「議論」よりは「物語」
③ パターン認識や、境界を外した関連性を見抜くために必要なのは、「個別」ではなく「全体の調和」
④ 顧客との接点強化に必要なのは、「論理」ではなく「共感」
⑤ トレンドを見抜くのに必要なのは、「まじめ」だけではなく「遊び心」
⑥ 人に動機付けさせるのは、「モノ」よりも「生きがい」
具体的にそれらのセンス・能力をアップする方法も紹介しています。
ますます、グローバル化が進む子供たちの時代に今後の方向性を考えるうえで、一読の価値のある内容であるとは、私も確かに思いました。