平成19年税法改正 再確認
Ⅱ.同族会社留保金課税 ~ 中小企業は廃止 ~
同族会社留保金課税という制度があります。
これは、株式の過半数を一族で所有しているような会社(同族会社、中小企業はほとんどこれに該当します)は、本来の法人税等の税率は約42%なのですが、仮に4000万円以上の利益があがったときには本来の税率+α(5~15%)の税金を払ってくださいというものです。
ただし、経営革新承認企業は免除(成長する中小企業を応援するため)とされています。
単年度の利益に対して課税されますので、前年の大赤字をうめるために今年土地を売って売却益で通算して本来の法人税はゼロでも留保金課税はかかるというように、不合理なところもありました。
この制度を中小企業(資本金が1億円以下の会社)は廃止することとされました。
資本金1億円以下というのは、資本金の額や従業員に払う給与等についても事業税をとるという事業税の外形標準課税のルールと話を合わせているとのことです。
ちなみに、事業税の外形標準課税(赤字会社からも事業税を払ってもらうという制度)は、予想通りまず資本金1億円超の会社から導入され、今年から中小企業にも広げろという議論が政府部内でおこったそうですが、今年の7月に参議院選挙があるため、中小企業の外形標準課税の導入は今年の秋の抜本改正で議論しようということで閉じられたようです。
実質大企業でも資本金を1億円以下に減資すれば事業税の外形標準課税は免除されますので赤字会社で資本金が大きい会社はどんどん1億円以下まで減資してきています。同様に、利益の出ている資本金1億円超の会社も1億円以下まで減資すれば留保金課税が免除されそうです。
外形標準課税とは違い、儲かっているかなり利益の高い資本金が1億円超の会社については、逆に留保金課税を免れるために減資を検討する余地があります。