会計参与は、機能するという意見をある方から聞きました。
それは、公共事業を行う建設・土木の会社だそうです。いわゆる談合問題で指名問題制度というのが談合の基本的な温床になっている。従って、国は今後指名入札制度をやめる。ということは、建設・土木の会社はどんな企業でも入札に応じることができるようになります。ただし、工事能力がない会社が入札してもらっては困るので、実際に入札で落札した場合にそれだけの工事を実行できるという保証を金融機関にさせる、これを履行ボンド制度といいます。この履行ボンド制度は何回も導入されてきましたがなかなか実質的に機能してきませんでした。今度は国が音頭をとってどうしても実行する。まず、国の仕事について履行ボンド制度を早速導入し、その後県の工事、その後市町村の工事に履行ボンド制度を広げていく計画だそうです。
一方、履行ボンド制度をとっている米国の例で見ると、建設工事会社の決算書(米国の決算書は公認会計士の監査証明書を付けるのが常識です)をもとに、その自己資本金の一定倍率を保証するのが多い。従って、そのような履行ボンドを引き受ける損害保険会社等は当然ながら決算書が正確であることを保証する形、会計士の監査や会計参与などを要求してくるのが必至であろう。そのような枠組みでは単に資金借入が有利になるという話でなく、公共事業の仕事そのものがとれる、とれないの話になりますので、相当のコストを覚悟して会計参与なり会計士の監査を求めてくるという予測です。今のところは、再保険の関係で金融機関も興味はあるが、消極的な態度とのことです。
ところが、更に話があって、実際には国は建設・土木の会社を保護することを諦め、建設・土木の会社の削減に力を入れていくという政策に切り替えています。当然ながら監査や会計参与になる公認会計士・税理士は、むやみにそのような仕事を引き受けるわけではありません。恐らく、税務顧問をやっており、内部の事情に相当通じている会社のみ引き受けることになるでしょう。そうなれば、財政状態が悪い会社はその財政状態を一番良く知っているはずの会計士・税理士から見放されていわゆる公共事業から閉め出されていくという流れが考えられます。
国は頭がいい。即ち、直接自ら手を下すのではなく、履行ボンド制度というものを導入させることにより、会計士・税理士に建設・土木の会社の退場を迫らせるというストーリーだとのことであります。
業績が良さそうに見えても実際には大変な大赤字だったという木村建設の例もありますから。少なくとも顧問の税理士の先生は知っていたと思われますよね。この先生は、はたして会計参与を頼まれたら引き受けていたでしょうか。
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