CSR、コーポレート・ソーシャルレスポンシビリティの略だそうです。企業の社会的責任とでも言うのでしょうか。
企業の責任が 単に株主や債権者だけではなく それ以外の利害関係者(従業員 地域社会 環境など)に対しても及ぶこととのことです。
このことに関連して、松下電器の石油ファンヒーターの話を聞きました。
初動が遅れているとはいえ、松下電器が製造し欠陥があるとして回収に努めているのは、どんなに新しい製品でも1992年製、つまり今から14年も前の石油ファンヒーターです。これを回収するために、昨年度だけでも松下電器は400億円の費用を投じ、また今年は更に相当の費用を投じて、全ての世帯に注意を呼びかけるようなハガキを送付するほどの意気込みでやっております。松下電器は、このため昨年末にプラズマ液晶テレビのボーナス商戦で、向けるべき労力をこの石油ファンヒーター問題の解決へ向けたと言われております。業績への影響は単に直接かかった数百億円だけの費用ではないともされています。
しかし、さすが松下という評判をとるでしょうし、そういうものを意図していなくてもその会社のCSRに対する考え方が表れていると感じます。14年前に作った製品について責任を負うのかというよりも一度作ったものについては徹底して責任を持つ、常に壊れないものにしておくというものの考え方、これは永久設計というそうですが、そういうものに感動しました。
昨年度末大騒ぎになった姉歯設計事務所の耐震偽装の問題がありますが、あれほどひどくなくともモノを作る人にとっては一定の期間が経てばその作ったモノは壊れて使えなくなってしまうという考え方がある一方、今回の話は永久設計という考え方でとても興味深く感じています。
大きく世の中の価値観の変化、変わり方の速度が増しているのではないかとも感じております。