中小企業の会計に関する指針
金融機関が中小企業に融資するときに中小企業の決算書があてにならないという話が出てきています。そこで、中小企業を支援する立場にある国の機関(中小企業庁)では色々な施策をうっていますが、今回出来上がったものが『中小企業の会計に関する指針』という要は中小企業はこの程度の決算書はちゃんと作りなさいというような内容のものです。
その内容を読むと、容易にできることもあるし、なかなか難しいこともある。この『中小企業の会計に関する指針』を作った目的は何か。即ち、中小企業の決算書の信頼性を高めていこうという目的です。従って、ある程度の企業で金融機関の信頼を高めたいと思うのであれば、この『中小企業の会計に関する指針』に従った決算書を作りなさいということです。
では、どのような内容が書かれているかというと、慣行と違うことが3つあります。
1つは、賞与引当金、退職給与引当金をきちんと計上する。従来の中小企業の会計処理のルールでは税法上適切な決算書さえ作ればよい。従って、税法上経費と認められるような賞与引当金や退職給与引当金は計上しないのが普通でした。しかしこれをきちんと計上しろということが要求されています。
2番目に減価償却費をきちんと計算しなさいということです。中小企業では往々にして業績が悪いために減価償却費を計上せずに利益決算に見せかけるということがあります。従って、これができるのは一定規模以上のしっかりした企業だけでしょう。
3番目は注記を色々つけなさいということです。注記といっても難しいものではありません。例えば、減価償却法は定率法でやっています、1株当たりの利益はいくらになります、など別に注記などしなくてもわかりやすいものです。
このような新しいルールができました。従って、このルールに従って決算書を作成することが望まれてきます。具体的には、私どもの方では今後とも『中小企業の会計に関する指針』に従った決算書を、手間暇はそれ程かかりませんのでお勧めしていきたい、特に、優良企業から順番にお勧めしていきたいと思っております。