少人数私募債とは
資金調達には、大部分の中小企業は、頭を悩ましています。
最近流行っている手法の一つが少人数私募債と呼ばれる社債を発行する方法です。
この本質は、友人・知り合い、取引先からお金を借りるということですが、社債という形式を取るため、スマートかつ堅実なイメージを与えるということでしょうか。
社債と株式はどう違うのでしょうか。いってみれば社債は一種の借用書であり、利息と支払期限を約束します。株式は株主総会での議決権を有し、経営を取締役に委託します。利益が出れば配当を受け、損失を計上した場合であれば配当はありません。
社債が借用書というのであれば、借入金との違いはどこにあるのでしょうか。期間について見ても、運転資金の場合は2~5年と、社債も借入金も両方よく似ています。根本的な違いは、借入金は原則的に毎月元金と利息を返済しますが、社債の場合、元金は満期償還なら一括返済でよいのです。利息は半年に一度か、一年に一度支払えばよいわけです。
少人数私募債を発行するメリットとして、金融機関以外で、企業が独自で資金調達できる点があげられます。社内の従業員からも募集が可能で、それが結束力の強化や士気向上につながり、従業員にとって自分たちの会社という意識を強く持つようになります。私募債を持ってもらえた取引先とは信頼関係が深まり、グループ意識も生まれます。
それでは、私募債を引き受けた人にはメリットがあるのでしょうか。金融機関の市中金利に比べて、非常に高い金利が得られるというのが最大のメリットです。しかもここで得た金利の税金は、源泉分離課税の20%だけで済み、節税効果も大きいのです。
手続きは、発行する会社の取締役で決議するだけです。基本的に縁故募集なので資料作成と募集期間だけで、通常1ヶ月から1ヶ月半が目安となります。
募集人員は、最高49人までで、募集金額の最高限度は1億円です。縁故で49人までですから、1人200万として9800万円です。一口の額があまり高いと、集めにくくなるので考慮が必要です。
利息は、出資者に魅力を感じてもらう必要もあり、銀行利子よりも高めが通例です。一般的には3~5%が標準です。
償還期間は、運転資金で1~3年、設備資金で3~5年です。満期日が到来すれば償還となりますが、合意を得れば、借り換え手続きも可能です。途中で償還の希望の申し出があれば、応ずることもできるのです。
少人数私募債なので届出を必要としないし、社債券の発行も省略してよいのです。この場合、申し込みのあった後に発行する「募集決定通知書」と、社債の申込額が振り込まれた時の「社債お振り込み預かり証」を購入者に保管してもらうことになります。従って自社で発行する場合に必要な費用は、専門家のアドバイス料や、資料作成費用ぐらいで、社債募集額の数パーセントで済むと見ておくとよいわけです。
これが2-3年前に私が話していたことでしたが。。。。。。。。。。。
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