著者 石野誠一
明日香出版社
まず、まえがきにあるクリティカル・イレブン(魔の11)という言葉が印象に残りました。例えば、飛行機事故は離・着陸の前後11分間に事故が起きやすいということですが、これを経営にあてはめられており、会社の従業員が11名前後のところで経営の仕方が大きく変わるということです。「11名前後の会社」の経営をきちんとやることができれば、不況の中で30名でも50名の会社でもやっていけるだろうとのことです。
そして、この本はその11名前後までの会社の社長を主な対象にして書かれているということです。
社長として一人前になるためにということで、「考え方」「従業員さんとの関係」「社内外の運営」「お金の面」「金融機関・税務署・税理士」「社長の心得」というテーマごとに必要なことをまとめられています。
・社長は会社に関係する人に対してやましいところがなければ、ワンマン経営を貫くべきであり、幹部や役員会への相談は自分に自信がなくて逃げていることも多い
・アポを取り付けての訪問よりも、何も用がないけど近くに来たのでよりましたという表敬訪問のほうが効果的
・お金は針千本のムシロの上に座ることによってようやく入ってきてくれるものだというくらいの気持ちでお金と接する
・税理士はきちんんとした知識を持っている勉強している人とつきあうのがベター
・会社には譲歩してはならない線があり、その線を社内にきちんと教育することが大切
等々石野さん流に、体験に基づいた小さな会社の経営の留意すべき点が述べられており、中小企業の社長にとって、とても参考になる本だと思います。
(紹介者:諸岡)
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