前記の加藤寛先生の本には「学問のすすめ」の内容は要約版しか載っていません。「学問のすすめ」という本は私が高校を卒業した時に担任の先生がクラスの全員に配ってくれました。
その頃はまだ学生運動の名残がありましたので、大学に行って学生運動等に投じるのではなく、勉強をしっかりするようにという趣旨だったのでは無いかなと推測しましたが、本を読むこともなく楽しい大学生活に走ってしまいました。
このブログを見たのがきっかけで「学問のすすめ」要約ではなく本物を見たいと思い『学問のすすめ(2012年)現代語訳:奥野宣之』を取り寄せてみました。
内容も、なるほど、今でも通じる話だなと思うような事ばかりであります。
紹介までに初編
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」に続くいくつかの小題を挙げさせていただきます。
・格差のもとは学問の有無にある
人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり
天は、富貴を人に与えるのではなく、その働きに与える
・日常生活に役立つ「実学」を身につける
・自由とわがままの違いを知る
・真の自由独立とは何か
・法の下で万人は平等
・理に従って遠慮なく行動せよ
・この国民あってのこの政治
・人として当たり前の感情に従う
それ以下の各章も実に深い心に響く言葉がありました。
これが実に明治5年に出版されています。明治維新の直後、西南戦争の前といえば、その当時どれだけこの本が進歩的であり、かつ国民に影響を与えたか分かります。
明治13年の人口3500万人の時に、70万冊発行されています。
改めて、先人の啓蒙精神というか見識の高さに頭を垂れさせられます。