5月22日の日経新聞に不良債権が26兆円という記事が載っています。
--------------(日経新聞5月22日)----------
政府や地方銀行は、不良債権化の懸念がある中小企業の再生支援を急ぐ。
中小企業金融円滑化法では、企業の資金繰りを支援するために財務などに懸念のある場合でも正常債権に区分できるが、同法が来年3月に終了するためだ。
こうした「不良債権予備軍」は2012年3月期に地銀全体で26兆円強に上る。事業再生ファ ンドの設立や支援人材を増やすことで不良債権になるのを防ぐ。
21日までに前期決算を開示した地銀・第二地銀103行を日本経済新聞が集計した。予備軍の合計は約26兆6000億円と前の期から微減にとどまる。前期末では貸 し出しの14.4%を占める。
円滑化法はリーマン・ショック後に中小企業向けの融資が滞らないようにするために09年に施行された。返済や財務内容に懸念があっても経営改善が見込めるようなら正常債権に分類できる。
ただ実際には、返済条件を繰り返し変えたりする中小企業も多く、この区分を不良債権予備軍としている。
円滑化法が終了すると一部は不良債権となり、銀行経営を圧迫しかねない。そのため地銀は中小企業の支援強化に向けた動きを強めている。
-------------------------------------
これは地方銀行の記録だそうですが、金融庁が1月20日にいわゆる金融円滑化法に伴う貸出条件変更の統計を公表しています。
昨年の9月30日現在の数値との事。
日本全体では、貸付条件変更をしたのが63兆1千億円、このうち地方銀行が29兆4千億円とのことです。
地方銀行の貸出残高は209兆円ですので、それに対して29兆円(13.9%)の条件変更をしたとみられます。
もっと多いのは、信用金庫で信用金庫の貸出条件変更金額は14兆5千億円。信用金庫全体の貸出残高は64兆円ですので、それに対して21.9%の比率ということになります。
結構不良債権が溜まっているわけですね。
新聞記事では、銀行がコンサルティングに力を入れてそのような金融円滑化法になる期限延長の融資先を支援するという意図のようです。
金融円滑化法期限延長の趣旨としては、昨年の12月金融担当大臣談話として金融機関によるコンサルティング機能の一層の発揮を促し、真の意味での経営改善につながる支援=出口戦略を推し進める、
そのために1年間延長するという言葉を述べていました。
そして、その中ではコンサルティング機能の一層の発揮、実現可能性の高い抜本的な経営改善計画の策定、進捗状況の適切なフォローアップ、企業診断、最適な解決策の提示、支援を図る為の政策、中小企業再生支援協議会との連携強化等、の言葉が記入されていました。
さて、実際はどういう風になるのでしょう。