NASAより宇宙に近い町工場
植松努著 ディスカヴァー・トゥエンティワン社
NASAより宇宙に近い町工場 (植松努著)という本を人に勧められて読みました。
おもしろい。
北海道の田舎にある従業員20人ほどの小さな町工場が 国産のロケットを自費で(国の補助金をもらわずに)打ち上げていくという実話です。その社長 植松努さんの思いを込めた本です。
思いとは ”夢”をなくすなということです。
植松さんの講演DVD(君ならできる!夢は僕らのロケットエンジン)が発売されていましたので事務所のみんなで見ました。
ある事務所の職員がまとめてくれたその感想です。
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植松努氏は、北海道赤平市の会社を経営されています。ロケットの開発、微少重力の実験、小型の人工衛星の開発 アメリカ民間宇宙開発企業との協同事業などを進められています。
全国各地で講演もされており、「日本一感動する講演会」として評判になっています。今回もDVDも、多くの気づきが得られる講演会が収録されています。
宇宙開発といえば、簡単にできるものではないと考えてしまうでしょう。植松努さんも「そんなもの、できるわけがない」と中学生の時から言われてきました。
ところが、今は、政府の援助など全く無くてもロケットを飛ばし、人工衛星も宇宙空間に設置されています。
植松努さんは「宇宙開発を「どうせ無理」という言葉をこの世からなくすためにやっています。」と言います。
「真の研究開発というものは未知への挑戦」であり、「ゼロから1を生み出す仕事に未来がある」のです。
「どうせ無理」という言葉は、人の可能性を奪います。興味を持たなくなり、やる前に諦め、考えなくなってしまいます。「どうせ無理」と言わず、「だったらこうしてみたら?」と言うことを提案されます。
植松努さんは、欲しいものと出会ったら、値段ではなく、「仕組み」を考え、自分でつくってしまいます。これは、無駄な経費を削減する意味合いもありますが、知恵と経験を得る機会にもなるのです。
「お金があったら、自分の知恵や経験として貯蓄すべきです。そして、自分の周りの人たちに信頼や愛情として貯蓄すべきです。それらは価値が変わりません。そして、何倍にも変わるものなのです。」
「お金と、知恵と経験は等価です。」
「知恵と経験を得るために、宇宙開発を無料でやっても構わないだろうと思っています。」
このように、研究開発への投資を惜しまない植松努さんですが、財務面では、借入金などに頼らないことを旨とされています。
「よその人のお金をあてにしないとういうことです。」
「自分でやっていると続けることができます。」
リサイクルの仕事で稼いだ資金を大切につかうことで、研究開発のためのお金を生み出されています。
このように、新しいことに挑戦するには、お金だけではなく、時間も必要になることでしょう。
植松努さんはいいます。「忙しいという状態は、全速力で解決しなければいけないことです。」「最低限やらなければいけないことは、最低限の時間で終わらせて下さい。そして、自分の人生の時間を取り返すのです。そして、取り返した時間を、大切に使うのです。自分の能力を高めるために使うのです。」
そして、植松努さんは夢や理想というものを大切にされます。
「最初から売れるメガヒット商品はなんてものは、この世にはありません。好きでやっているうちにはやるだけのことです。だから、夢はひとつではありません。夢はたくさんあったほうがいいのです。夢はたくさんあれば、一個くらい挫折しようがくじけようが、平気の平左なのです。」
「夢をもっていれば、心が死なないで済むのです。だから、夢というものは否定してはいけません。」
ロケット打ち上げに成功し、社員が抱き合って泣いて喜ぶシーンが印象的です。
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