もう少し話しを進めて、仮に、10億円の企業がある。
生前中に一生懸命オーナー社長は後継者に株を贈与していたとします。例えば、子供に60%の株を贈与していたとします。相続の対象になるのはオーナーが持っていた40%の株式だけだとします。
この場合、事業承継税制の80%の納税猶予制度は使えるのでしょうか?
実は、使えないということになっています。なぜかというと、この納税猶予制度の対象になる株式はオーナー社長が企業の代表者であったことと同時に、オーナー社長の同族関係者が持っている株式数(オーナー社長本人40%+子供60%=100%)のうち、その同族関係者の中でオ-ナー社長が筆頭株主であったことが条件です。従って、筆頭株主が子供なわけですので対象外ということに扱われます。
従って、ここで申し上げたいのは2つのことです。
事業承継の自社株式80%の納税猶予制度は完全なものではないので相続税対策は今後とも必要であること。
しかも、現在の株主構成等により色々対応策が必要になることです。