航空機のリース事業を利用した利益の繰延節税について現状報告
最近東京を中心に不動産についてはミニバブル化しているという話を聞きます。私が住んでいる福岡でも不動産関連の方は相当利益が上がっているようです。
実はちょうど前回のバブルのときに非常に儲かった企業にとって何かいい節税の仕方がないかということで大変流行ったのが航空機のリースを匿名組合方式等で行うことによる一種の税金の繰延節税でした。航空機のレバレッジ節税といいます。
詳しい仕組みは省きますが、航空機ですので額が大きいですし、更にそれを借入金と組み合わせるということで10年ほど大きな税金支払を繰り延べることができるきわめて有利な節税商品としてバブル期にはもてはやされていました。
その後、低金利時代ということもあり、航空機リースによる節税(レバレッジドリース)のメリットはバブル期に比べて減ってはきたものの、まだまだニーズは強いものがありました。
しかし、最終的には航空機のリースについては税制変更により規制されることとなりました。具体的には平成17年4月1日以降のそのようなレバレッジドリースについては著しく税務メリットが減少した形になっています。
実は、最近福岡のある企業に関連して久方ぶりにレバレッジドリースについて資料を集めて調査しました。知識としては知っていたのですが、実は平成17年4月からレバレッジドリースは実質上効果が激減したと一般的には報道されているのですが、実際のところは国内の航空会社向け(JAL、ANAなど)に賃貸するレバレッジドリースは平成19年3月末までは従前どおり税務上の有効性が認められています。
内容を見てみると以前と比べても条件は悪くなっていません。ただリース会社の方の話によると、一般的には平成17年4月からはレバレッジドリースはできなくなったと誤解されているため、なかなかレバレッジドリースの販売は難しいし、逆に国内航空会社向けだけに限定されていますから件数も減ってきているのだという説明でした。
逆に、今は一機丸ごとのリースというものを組んだ方がリースとしては節税効果の面白味もあり、そういう案件があれば紹介して下さいというふうに営業されていました。
航空機のリースはメリットは大きいのですが、10年間も税金の支払いを繰り延べるということですので一般の経営者の人は4~5年税金の支払いを繰り延べたいという希望を持っているようですので、そのあたりが難点ですよね。つまり、今は儲かっているけれども4~5年先のことはわからないのでその間の税金を繰り延べたいというふうな考えをお持ちの方が多いので、売れにくい理由はそのあたりにあるのかなとも思っています。