木村剛氏の話は当たるかな?
日本振興銀行
東京で会計事務所向けの勉強会に参加した。この時、木村剛氏(例の竹中プランなどで活躍された日銀出身の方である)の話を伺う機会があった。
おもしろかったのは、木村剛氏が今取り組んでいる日本振興銀行の話であった。日本振興銀行は、中小企業専門に融資をする銀行として平成16年4月に開業した。ようやく1年半が経ち徐々に収益が固まってきている。
話は、会計事務所に日本振興銀行の顧問になってもらいたい。つまり、営業を手伝ってもらいたい。会計事務所のお客様で銀行(信金クラス)がなかなか貸さないところ。例えば、赤字続きで帳簿上も債務超過であるところ。今までだったら商工ファンドなどに融資を仰ぎに行くところ。そういうリスクの高いところであっても日本振興銀行は貸し出しを行う。そのようなところを紹介してほしい。紹介フィーは払えないが毎月顧問料を払う。もし商工ファンドに行くような企業があった場合には日本振興銀行を紹介すると約束してくれるところへは毎月顧問料を払う、というような話でした。
話を聞いていておもしろいなと思ったのは、まず会計事務所を営業の窓口にしようというところです。即ち、一般の金融機関が営業コストに相当の労力を有しているのに対し、営業コストをできるだけ節約するために会計事務所を使おうという考え方でした。もちろん融資の審査そのものは日本振興銀行が行います。そのリスクは日本振興銀行にある。ただし、表示されている決算書が債務超過であれ何であれ融資はするので決算書は会計事務所が作成・援助しますから嘘をつかない決算書をお願いしたいということでした。よく銀行の方からこの決算書では融資はできないので違う決算書を作成してくれ、はっきり言えば粉飾した決算書を持ってこいということを要求されることがあります。これは困ったことです。銀行から直接言われれば断れますが、お客様経由で言われると困ります。当たり障りなく、銀行がすぐに判るやり方、減価償却をやめる、減らす等の方法を用いて黒字化します。
日本振興銀行の話は、営業コストを節約しようという意図です。
今後、中小企業の会計処理は益々適正な処理という形(退職給付会計、税効果会計、減損会計など)が要求されるようになります。当然、私どもの事務所としても適正な会計処理というか、そうしておかないといちいち銀行の言うことを聞いていたら対応不可能なので。要するに、Aという銀行が粉飾することを望んでも、Bという銀行は望んでいないということがあり、面倒なので1本でやる。例えば、どんな粉飾があるかといえば、減価償却をやめるということが一般的にあります。もちろん税務署は税金が増えるから大歓迎ということです。
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