『Journal of Accountancy』という雑誌があります。これは米国の公認会計士協会の機関誌です。その6月号にブログについての記事が載っていました。
米国の公認会計士の機関誌は米国の公認会計士の仕事に直接対応する記事が載っています。いわゆる大会計事務所のように上場会社を監査する会計士に役立つような記事、私のように上場会社の監査に関係せずにコンサルティングや中小企業の税務をやっている会計事務所に対する記事、更には会計士の資格は持っているが上場会社の株式の売買をするブローカーとしての仕事をしている方に対する記事等、会計士の色々な役割について記事が載っていることが特徴です。
日本の場合は、もっぱら上場会社の監査に関する記事ばかりですので、そういう意味では米国の公認会計士の機関誌『Journal of Accountancy』にはおもしろい記事が載っています。
おもしろいのは、マーケティング、要するにお客様の開拓に関する記事が頻繁に掲載されていることです。そのなかでブログについてこのような記事が載っていました。
「フレキシブルで費用がかからないブログは、すばらしいビジネスツールである。ブログをぜひ活用すべきである」
記事より引用
簡単に要約するとブログは多くのビジネスの可能性を持つ共有ツールです。安い経費でブログはマーケティングのための非常にいい道具になっています。
ブログとはほとんど映像が出てこない文章ばかりでなっているホームページです。使い方が簡単です。
事務所のことを広報することを助けるだけでなく、ニッチな専門分野について情報を一般に知らせることができます。
今までのところほとんど会計についてのブログは数が非常に少ない(米国でも会計事務所がやっているブログは非常に少ないようですね)。そして、たいていの公認会計士のブログは税金の話題についてのみ述べています。不動産投資についてのブログや企業評価についてブログ等ニッチな分野のブログはあまりないようです。
ブログは、頻繁に更新するというのが黄金律です。この他米国の実際の会計のブログの紹介等色々とおもしろいことが書かれていました。更に、色々なセクションにリンクするページもおもしろいようです。
そして、弁護士が広範囲にブログを活用しているのに対し、会計事務所はまだまだ活用していないようですね。
ひとつ目新しかったのは、会計事務所は従業員にもっと効率的に働くよう活用するためにブログを使用することができるとしているところです。個人的な記憶を組織的な記憶に切り替えるためにブログは新人を教育するために活用するひとつのナリッジマネジメントのツールとしての価値があるというふうな書き方になっていました。
訴訟に関するブログ、不動産に関するブログ、会計に関するブログ等紹介されおもしろい記事が載っていました。
会計事務所のブログについては日本もアメリカも同じような程度だなと思います。ただ、日本では税金そのものについてのブログ、税金について解説するようなブログが少ないのかなと思います。
一つ米国会計士協会のホ-ムページ(AICPA)を見ると過去のすべての journal of
accountancy のすべての記事が見ることができます。
このあたりは米国の太っ腹なところが感じじられます。