あるお客様からベースアップをどうしようかという相談を受けました。そこで これに関して思い出した話をします。
「さらば正社員経営」 というタイトルの特集が、昔、日本経済新聞の2002年8月に掲載されていました。
『雇用改革が手探りで始まった。必要な戦力を臨機応変に外部に求めるメリハリの利いた人材戦略だ。
昨年来の人員削減と賃下圧力 の高まりは、終身雇用を抱え込む単線型の「正社員主義」に終止符をつける。』 として、ジャスダック上場のプラスチック試作メーカーアーク(大阪)の「社内独立制度」やアメリカの
PEO(プロの雇用主組織)すなわち日本の場合は短期雇用で周辺業務が中心の人材派遣に対し、
PEOは長期雇用を前提に中核業務を含めた全従業員の面倒をみるものが紹介されていました。また人材派遣会社パソナの「個人事業主制度」も紹介されていました。
いずれも昨今の経済情勢に適合したものであり、今後もこうした「雇用の流動化」はどんどん進んでいくものと考えられます。
今年の所得税の確定申告を見ながら思うことは、社会保険料の負担が対前年比で増えてきているなーということです。来年からは、年金生活の方の税金も相当上がる見込みですし・・・。
一方、現役世代のサラリーマンの給与は、全体としては下がっているようです。
正社員比率が高いのが中小企業の特色です。
国税庁の統計
1年間継続して働いた人の年間平均給与
│ │男(千円)│女(千円)│人数 │
│H 9年│5,770 │2,789 │4,526万人│
│H10年│5,720 │2,800 │4,544万人│
│H11年│5,674 │2,799 │4,498万人│
│H12年│5,665 │2,800 │4,494万人│
│H13年│5,581 │2,780 │4,509万人│
│H14年│5,483 │2,777 │4,472万人│
│H15年│5,442 │2,748 │4,466万人│
男性の給与はじりじり下がっているようですが・・・・。これで消費税の増税がきたらどうなるのでしょうか?一方、国・地方公共団体は大幅な赤字だし・・・。企業経営者としては、安易に従業員給与を引き上げられない時代だなあという思いを強くしました。
それはさておき 先ほどのベースアップの話
定期昇給だ ベースアップだというのは 大企業の話です。
従業員の顔が社長には見えない。従業員の貢献度が社長にはすぐに見えない。そこで何らかの形で評価し それに応じて給与を上げるという人事給与の仕組みを作っている。
社長が従業員の会社に対する貢献がわかっているような中小企業の場合は かえっていろいろな制度を導入すると給与制度が固定化するのでは?という話になったのですが。。。。。。。。。いま 世の中の状況は堂なのでしょうか。