最近のベストセラーの一つとしてお金と経営に関するひとつの本があります。
あなたの会社にお金が残る
「裏帳簿のススメ」
著者 岡本史郎(経営コンサルタント・税理士)
本の内容をキャッチフレーズや目次を中心に紹介すると次のようになります。
* 「会社にお金が残らない本当の理由」の第2弾
* 「裏帳簿」と、タイトルにものすごいインパクトがあるが読んでみると裏帳簿ではない。
本はないようで売れるのではない 客が興味を持って手に取るから売れるのだ。なぜなら内容は買った 後でないとわからないから。。。。 真津興味を引くことが大事というマーケットの理論に沿った本です。 タイトルだけでも目を引く。 うまいなと思った。
* 作者のいう裏帳簿とは、脱法行為によりできる秘密の帳簿ではなく、「制度」でがんじがらめにされた「役に立たない帳簿」じゃない、役に立つ「自分の帳簿」のこと。
* 「決算書は誰のためにつくられるのか?」
・投資家(株主) 投資家の判断基準
・経営者本人 「会計」で会社の業績を測定。
・債権者(主に銀行) お金を貸せるかの判断。
・税務署 納税。
中小企業は投資家は関係ない、経営者は「決算書が読めない」「決算書で経営をしていない」だから、決算書は銀行と税務署のために作成している。
銀行と税務署のために作るから、あえて難しい決算書の掟(おきて)に従ってルール通りにつくられたナンセンスな実情。と筆者は主張している。しかし ふつう税理士の先生は税金申告の依頼をしているのであるからこれは当たり前すぎるほど当たり前の話ではある。
* 貸借対照表は、金額ベースよりも面積ベースのほうがわかりやすい。
* 「ワンイヤールール」も経営者には役立たず。
* 「ゾンビ資産」が横行するイカサマ決算書
・ 例えば回収できない売掛金、架空売上の売掛金等が平然と資産として記載されている決算書をみても、役に立たない。自分をだます決算書になる。
・ 税務署の「取る側の理論」が、「決算書」を役立たないにした。
・ 決算書に出ている利益は、「税金を払うために計算した数字」でしかない。
・ 固定資産を耐用年数に応じて資産に計上しているが、資産価値はない。
・ バナナの叩き売りの机は棒は、資産か?
・ レストランの設備は、5年おきくらいにリニューアルするのが現実的だが、国は20年もつと定めている。
・ 会計事務所は、「税金を計算するための数字」を耐用年数に使っている。現実の使う期間で、経費計上はしていない。
*「税務署用役に立たない決算書」 → 「表帳簿」
*「私たちのための経営に役立つ決算書」 → 「裏帳簿」
・ 本当の資産のみを決算書の資産としてあげろ。車・備品・繰延資産等は、すべて経費処理。
・ そうして作った決算書の利益が、正しい利益。なんと税率の高いことか。
*「個人と法人の税率の違い」 → 「役員報酬で調整」
・ 一番納税が少なくなるバランスを考える。 所得税・社会保険
・ 役員報酬で取ったからといって、個人で全部使わない。
・ 稼ぎを「国」と「会社」と「家庭」で三分の一ずつでわける。
「通常アドバイスしていることを書いた」「経営者の役にたつ決算書」
世の中の経営者の誤解 特に零細企業から抜け出しかかった中小企業のオーナー(経理を知らない)に多い誤解、税理士は税金の申告だけでなく経営のことがわかって経営のアドバイスをしてくれているという誤解を明確に打ち砕いてくれるよい本だと思います。
私も会計事務所の所長とはいっても事務所の経営?には迷ってばかり。まして人様のことはアドバイスできません。
一般論として いくら頭がよくて会社の数字がよくわかっても経営能力とは直接関係ありません。もし関係あるのなら儲かっている会社のオーナー社長は一流大学出身の経理出身者ばかりのはず。
いい本だと思います。会計事務所に対する幻影を消すためにも一読をおすすめします。