世の中はペイオフで資金が動くというが どうも動きそうにない
ペイオフについてお客さんと話している話
仮に銀行が倒産した場合、銀行に預けている預金は国が1000万円までは預金を保護しますが、今年の4月からは1000万円以上の部分は一部は返ってきません。従って、銀行を選ぶ場合も自己責任でお願いしますというのが本来のペイオフでした。本当は2001年4月から開始される予定でした。しかしながら金融機関の信用不安問題もあり、5年間延期されてきました。
とうとう今年の4月1日から本当の意味でのペイオフが実施されます。しかしながら、もしペイオフ制度が完全に導入されたら、金融機関ごとに信用度が違うわけですから当然ながらある金融機関から他の金融機関へ預金が雪崩現象で移ることが予測されます。そこで、実質上ペイオフが骨抜きになる、逆に言えば、ほぼ100%確実に現在の預金している銀行から他の銀行へ預金を移動せずに仮に1000万円以上の預金があっても保護の対象になるという制度が4月から導入されます。つまり、定期預金に置いてある預金残高が1000万円を超えている方については1000万円までしか国は保護しません。1000万を超える部分については、仮に倒産した金融機関の財政状態の内容によっては、何%かもしくは何十%かがカットされますという制度が さらに普通預金まで広げられます。
しかし、ここで決済口座という言葉がでてきました。即ち、通常の方でしたら決済用普通預金口座という普通預金と機能が全く同じものが導入されます。金利ゼロの普通預金です。
地元銀行のホームページ等で決済預金口座ができるということが表示されています。この決済預金口座は、ある銀行のホームページに書いてある内容が一番詳しかったので、そのまま右側に引用させていただきます。要は単純な話で、今持っている普通口座を決済預金口座、つまり預金保険の保護が100%、ペイオフの対象にならない口座に換えてもいいですし、普通預金はそのまま持ちつつ新たに決済用普通預金口座を開いてもいいということです。
普通の方は、普通預金口座をそのまま決済用普通預金口座に組み替えるでしょうし、それもただ銀行に行って手続きさえすればいい、通帳も今までの普通預金口座をそのまま使っていいという分かりやすい制度です。私としては、法人であれ個人であれ、この決済用普通預金口座を利用した方が、一番簡単なペイオフ対策になりますので、色々銀行ごとに預金を1000万円ずつ分散するよりも、ペイオフ用の決済用普通預金口座を活用されることをお勧めしたいと思います。
というのが お客さんと話している内容です。
その中の感想ですが どうもペイオフを真剣に考えていない。安心している。
私は従来からペイオフなどあるわけがない。一度でもペイオフがおきれば誰も中小銀行を信用しなくなるので健全な銀行すらも噂だけで倒産に追い込まれる。今は窓口に行かなくてもスキンが簡単に移せる仕組みになっているし。。
世間が安心することはよいことですが 決済口座の導入で銀行までも安心して 銀行の経営改革が頓挫してしまうのが懸念されます。