記帳業務にはどのくらいコストをかければいいのか?
今、『ここまでできる経理の合理化(児玉尚彦著、日本能率協会マネジメントセンタ
ー出版)』という本が15万部も売れているそうです。これは、いわゆる記帳業務に関連する分野について、色々な改善方法を提案している本です。その中で、おもしろいなと思ったのは、経理作業にかけるコストは、粗利益(売上から仕入・外注費を差し引いた金額)の2%を目安におさえていくということを提案されています。ここでいう経理コストとは、経理の精算や支払い、伝票・帳簿作成といったルーティン作業をする人の人件費と会計事務所の顧問料の合計です。私の経験値、上は大企業、といっても売上数百億円という公開企業から、下は従業員十人の個人商店までの経験値で考えても、合理的に経理作業が進んでいるな、スムーズに経理が行われているなという会社をいくつか試しに計算してみましたが、確かにほぼ粗利益の2%の水準でした。従って、粗利益の2%の水準で経理に関する費用が賄えているところは、まずまず合理的な経理作業を行っていると言えるのでしょう。
粗利益とは 売上高から変動費(売上に正比例して増減する費用、例 小売業での商品仕入れ高など)のことです。決して 売上高の2%といっているわけではありませんので誤解なくお願いします。
時々赤字で困っているなというような会社に行くことがありますが、経理のコストが確かに粗利益の3%~5%くらいとなっているケースはざらにあるようです。例えば粗利益が年間5億円の企業でしたら、1%改善すれば500万円利益が改善することになります。したがって、まずやるべきことは、自分の会社の経理に付属するコストが2%にあっているかどうかを判定して見ることではないでしょうか。
しかし、経理にお金をかけない方がよいといっても限度問題です。
何度も経理にかけているお金が 1%以下という会社を見たことがあります。
そのタイプは2種類。
-結構大きい規模の会社で倒産した会社
-きわめて小さい個人会社
このケースは小さい会社だから経理にお金をかけずにすんでいるのか それとも経理にお金を使わない(使えない?)から小さいままなのかわかりませんが。。。
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