城繁幸さんの「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか‐アウトサイダーの時代」という本を読みました。
城繁幸さんは、「若者はなぜ3年で辞めるのか?」という本でベストセラーを出した方です。東大法学部卒、大手コンピュータメーカー入社人事部の後、約10年後退職。
終身雇用、年功序列という昭和の高度成長期に出来上がった価値観、制度の仕組みが現在の平成の時代に合わなくなり、それが若者の閉塞感を引き出しているという主旨の論調で有名な方です。
この本で取りあげられていた昭和経済成長期の年功序列、終身雇用を基にした価値観に対して現在の若者が思っている価値観を多様性という言葉で表現してありました。
良いか悪いかは別として、経済環境が激しく変わり世界が一つの経済圏になりつつあるという時代(グローバル経済)、世界の動きがダイレクトに日本に来ているという時代、欧米を中心に発達した考え方や制度が日本の経済に入り込まざるを得ないという時代で、会社も若者も色々な多様性を模索しています。
昭和的価値観としてこの本の中で上げられているものは次のようなものです。同意できることもあるし、同意出来ないこともあります。もう既に崩れてしまっているのではないかと実感することもあります。
中小企業では、もともとそういうものはあり得ないということも感じます。
しかし、代表的な昭和的価値観であることは間違いないと思うので紹介させていただきます。
昭和的な価値観
・若者は、ただ上に従うこと
・実力主義の会社は厳しく、終身雇用は安定しているということ
・仕事の目的とは、出世であること
・IT業界は3Kであるということ
・就職先は会社の名前で決めること
・女性は家庭に入ること
・言われたことは、何でもやること
・学歴に頼ること
・留学なんて意味がないということ
・失敗を恐れること
・公私混同はしないこと
・盆暮れ正月以外、お墓参りには行かないこと
・酒は飲んでも飲まれないこと
・フリーターは負け組だということ
・官僚は現状維持にしか興味がないということ
・新卒以外は採らないこと
・人生の大半を会社で過ごすこと
・大学生は遊んでいてもいいということ
・最近の若者は元気がないということ
・ニートは怠け者だということ
・新聞を読まない人間はバカであるということ
・左翼は労働者の味方であるということ
若者の考えを理解する一つのヒントになるのではないでしょうか。
3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代-ちくま新書-城-繁幸