基本的なやり方
経理担当の人員を減らす
それでは、経理コストが粗利益の5%もあるような会社は何から手をつければいいのでしょうか。答えは簡単です。経理担当の人員を減らす、辞めてもらう、もしくは、営業部門等の部門に配置転換を行う、ということです。私の経験から考えましても、経理で必要な作業には限界があります。したがって、今まで多くの人数で行っているという
ことは、本来やる必要がないことまでやっている、やる必要のない細かい資料を手作業で作っている、ということがまず考えられます。人が減れば、当然できる仕事の範囲は限定されます。したがって、何が必要かということを改めてえ直すことになり、必要最低限のことしかしなくなるということで経理の軽減を図ることができることになります。
銀行窓口に行く回数を減らす
経理の女子社員を考えてみてください。どんな新人OLでも一人平均最低でも200万円の給料が年間かかっています。これにおおよそ13%の社会保険料を考え、更にその他の諸費用を考えると、年間2000時間働いてもらうとしても、その女子社員の1時間あたりの人件費は1200円近くになります。まして、経理部長など年収600万円-の人なり、年収800万の人なりで考えれば、1時間あたり3500円、4600円かかるということになります。そのような方が銀行振込に銀行へ行くとすると、銀行が近くにあっても最低でも1時間はかかるケースが多い。
最近の銀行は銀行の窓口に来てもらうのは迷惑だということを露骨に表していますので、できる限り、振込などは自分でしてもらいたい、機械で振り込んでもらいたいということをやっています。今までのように、振込依頼書を作成し、依頼するととても時間がかかる仕組みになっています。1時間かかったとすれば、女子社員でも1200円コストが発生しているというわけです。
ではどうすればいいのか。一番効果的なことは、インターネットバンキングを利用することです。つまり、パソコンを活用するということです。会社内にパソコンがあり、そのパソコンから預金を振替えたり、振込むというやり方です。もちろん、これについては管理の問題があります。その管理の問題については各銀行が知恵を絞っているところですし、また、お金は中小企業の場合、信頼できる人しか扱わせないケースが多いようです。したがってインターネットバンキングをぜひお勧めします。インターネットバンキングで振込む場合、振込手数料が銀行窓口で手続きするより安価に
設定されています。
また、相当件数振込む場合には、FAX等による一括振込の制度もあります。
また、振込も頻繁にしていれば、手間暇がかかりますので、必ず月1回、特定の日(月末等)に振込み日を決め、総合振込みすることをお勧めします。
ちなみに我が事務所では月初めは月次決算 月末は請求書発送業務や給与計算業務が忙しいというわけで毎月15日過ぎに支払い(銀行振り込み)をすることにしています。
しかし 次の従業員立替金の精算がありますので 銀行に行って現金をおろしてくるという時間はなくなりませんが。銀行でお金をおろす時間は10万円でも100万円でも同じ時間ですね。
小口現金の精算回数を減らす
社員が立て替えた交通費の精算等に経理の方が小口現金の金庫の中からお金を出して精算するという作業が毎日のように行われているかいしゃもあるようです。これを辞めてしまう。辞めてしまうというのは、毎日精算することを辞めてしまうという意味です。一番ベストは月1回小口現金として、交通費等を立て替えて支払った社員が一覧表にまとめ、経理に提出する。その後、経理が確認し、給与の際に同時にその立替金相当額を振り込む、という方法があります。ちなみに私が昔勤務していた会計事務所は外資系の会計事務所は この方法でした。そのためこれが当たり前だと思っていましたが、独立してやっとお客様になってもらった会社のやり方が 毎日精算 時々精算遅れで不定期に精算 伝票枚数がたくさんなのに驚いた記憶があります。
この方法は、大変合理的ですが、一部従業員によっては奥さんに小遣いをもらっている関係上、奥さんとトラブルがあるという笑えない話があります。
ちなみに我が事務所では、月2回10日と25日に現金で精算することにしており、それ以外のときには精算しません。各人が立て替えた費用はもっぱら交通費が中心ですので、各人毎に一枚のシートに高速料金代等の領収書を貼り付け、同時に明細書を作成し、合計金額で現金精算することにしています。
10日の精算日に遅れたら次は単月後に精算というわけです。
とにかく小口現金の精算は会社にとって緊急でも重要でもない仕事です。従業員の方も月に1度か2度まとめて精算するというルールを経営者がはっきり打ち出せば、ルールを守ってもらえることになるだろうと思います。社長や偉い方だけがルール違反をしないように心がけてください。
預金通帳の数は絞る
預金通帳の数は基本的には絞るべきです。即ち預金口座を開く口座は数を減らしたほうがいい。できれば2行、したがって預金通帳2冊が望ましい。今は支払手形を使わないビジネスが最も望ましいので、できれば当座預金口座も開かず、普通預金のみというのが最も望ましいビジネススタイルです。
そうはいかず、当座預金口座を開くと、当座預金の小切手帳や通帳、印鑑、支払手形帳などを誰が管理するかという問題が出てきます。したがって、経理(この場合は財務)の人員コストの削減という意味で、できれば支払手形は使わないほうが望ましい。また預金通帳の記帳の手間を考えると口座数は少ないほうがいいということになります。