東日本大震災に関連して 次のような文章を お客様に送りました。
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東北大地震の惨状には声も出ません。また、福島原子力発電所の状況は油断を許さないとのことでとても心配しています。心よりお見舞い申しあげますとしか言いようがありません。
さて、私の周りでもたくさんの義援金の運動が起きています。それはそれで立派なことですし、協力させていただきたいと思っています。
こういう義援金の時などに税金の話をすると反発される方もいらっしゃいますでしょうが、個人の寄付に関する税金の話をさせていただきます。
仮に支援金を赤十字等へ寄付した場合、所得税の世界では寄付控除の対象となります。寄附金控除とは、寄附金マイナス2,000円(例 10万円寄付したら9万8,000円)が所得控除の対象とされ、その方の課税所得に応じ所得税・住民税が軽減されます。
課税所得 1,000万円の方 軽減税額 42,100円
課税所得 300万円の方 軽減税額 19,600円
この申告には、赤十字など税法で認められている団体に寄付すること、及び、領収証が必要です。目的が義援金としても、不適切な団体への寄付は、この特例は受けられません。
もう一つ個人で協力できる方法としては「ふるさと納税」というのがあります。
「 ふるさと納税」とは単純に言えば、地方税は自分が住んでいる県・市町村に納めるのですが、その一部を自分が選んだ県や市町村に寄付しようというものです。
東北の市町村を調べてみますと、いずれも「ふるさと納税」制度があります。
直接被害にあった各市町村にふるさと納税された場合には5,000円を除き一定額所得税・住民税が軽減されます。このような税金ということだけではなく、確実にその市町村の為に役立っているということを実感することができます。
ただし、ふるさと納税は事前に市町村役場に寄付する旨の申し出を行い、振込み用紙を送付してもらい、銀行で振込みます。後日、受取証明書が送られてきますので、その証明書を添付して確定申告することになります。
当分の間、被災地の市町村役場はふるさと納税どころではないでしょう。復興にはそれなりの年数がかかりますから、実際にふるさと納税できるのは来年になるかもしれません。
何年間か ふるさと納税を続けて、市町村を応援する気持ちを表すこともできます。
私は学生時代、松島から中尊寺、遠野を通って三陸海岸を旅行した記憶が鮮明に蘇ってきます。その時泊まった町や市に、ささやかながらふるさと納税という形をさせてもらいたいと思っています。
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このようにふるさと納税は 税収が激減する被災地の地方自治体に 直接 寄付する方法ですが、寄付を受ける側の事前対応が必要になるため ふるさと納税はしたいが実際寄付できるのは年末になってからだろうと思っていました。
ところが 総務省が 今回は 赤十字などの特定の義捐金口座(ただしどの自治体に寄付されることになるのかは不明)や特定の各自治体の義援金の寄付口座にふりこめば 自治体からの事前の振込用紙や自治体からの領収書なしに ふるさと納税と認めるという特別な取り扱いをすることを4月5日にきめました。
縁のある特定の自治体に支援をしたい方は利用されることをお勧めします。
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