銀行等が中小企業にお金を貸し出す際の債務者区分をするときのルールを決めている『金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)』というものが金融庁から出されています。これが11月に改正になりました。
ポイントは1つ。中小企業の貸出金について少しゆるく査定(不良債権かどうかの判断)してあげましょう。
特に経営計画を立てて業務改善を行っていく場合、債務超過の解消に3年くらいかかるものを5年くらいに延ばしてみてあげましょうという趣旨の内容です。
このように基準を甘くすることにより何が変わるのか。つまり不良債権と認識する基準が変わります。銀行は中小企業に対する貸付金のうち不良債権とされる貸付金が減少する。不良債権とされる貸付金の金額には一定比率で貸倒引当金を設定しなければならないが、不良債権が経れば結果として貸倒引当金の額が減る。従って、中小企業に対する融資が増えるはずだという国の考え方に立っています。
しかし、どのように貸倒引当金の計上のルールを変えようと回収不能の分は回収不能なわけですから・・・。銀行の態度が変わるとは思われません。
更に、大企業よりももっと体力の弱い中小企業はこの不況のせいで業績が悪化し、倒産、破綻状態に陥る状態が増えるのではないでしょうか。従って、たとえ銀行が貸したいと思っても実際には貸せないという気がします。
しかし変わり身が早いのが中小企業です。オーナーが即断で動き、方向性を変えて生き残っていけるのが中小企業です。その意味で中小企業の社長の逞しさに期待したいと思っています。
平成21年が良い年になるように願いますし、また色々案ずるより生むが易しというように、色々と考えるよりも行動することが大事だと思っています。