医療業界の最近の動きとして 医療コンサルタントの方が説明していた医療政策の方向性は次のようなことです。
【医療費の抑制】
厚生労働省は7月10日、中島誠大臣官房参事官を室長とする「医療費適正化対策推進室」を新設し、医療制度改革関連法の医療法、健康保険法、介護保険法、健康増進法等の上位に「医療費の適正化計画」を位置づけ、順次、医療費の適正化関連施策が実行されることとなった。
適正化計画第1期(2008年~2012年)においては、入院費用削減=「平均在院日数短縮」=療養病床大幅削減、外来費用削減=「生活習慣病の予防」=高齢者頻回受診抑制と老人医療費抑制をメインとする施策が始まる。
【病院病床削減】
療養病床の削減は、急性期病院の機能を更に重視特化することとリンクしており、病床(病院)全体の削減を目的とするものである。
病院は公私立ともに急性期患者獲得を巡って、熾烈なサバイバルに突入している。そのため、多くの病院で中堅医師に対する様々な加重的責任が強化され、病院で燃え尽きた果てのクリニック開業が異常に増加している。
今や地域格差は益々広がり、地方の病院の医師不足は重大な政治問題にもなっている。その一方で都市部を中心として、開業ラッシュによる診療所過剰状態が発生している。
元来、国民皆保険制度の下、平等でなければならない医療提供体制にゆがみが生じてきており、今後も続く傾向である。
【クリニック過剰時代】
このまま推移すればクリニック過剰、淘汰、競争という悪循環(既存クリニックも新規参入クリニックも共倒れ)が予測される。
更に外来抑制である高齢者の自己負担増、頻回受診制限、免責制度導入などの抑制策が重なる。増加する開業が全て成功するとは言い難い状況であり、開業希望医、開業資金融通者、資金融通済既存開業医にとって客観的地域医療ニーズに基づく適切なアドバイスが必要になる。
厳しさを訴えかけるのが コンサルタントの第一段階の仕事ですから 今も 10年前も20年前も 同じく医療はこれから厳しいという話でした。
しかし 厳しさが身近に感じられてきているのは コンサルタントに言われるまでもなくおわかりのことと思います。
それで そのコンサルの方がおしゃったことは、次ののアドバイスです。
【 不幸にならないためのクリニック開業】
●開業地域の医療ニーズを客観的に適切に把握
●今後の医療費適正化=外来抑制を組み込んだ「開業計画」の立案
●目的を持った開業=切れ目のない医療提供を前提にした連携能力(2008年新設、後期高齢者医療制度)を意識した開業
クリニック開業の話は別として、地域の人口動向は考えるべき事項だと考えています。