銀行とどのようにつきあうか?
福岡では、西日本シティ銀行と大分の豊和銀行との経営統合、福岡銀行と熊本ファミリー銀行の共同持株会社が話題になっています。
最近、銀行取引について思うことは、銀行が融資に積極的になってきていること、しかしながら銀行の数そのものが減少しているため、中小企業にとっては、かえって困る状況が生まれていることがあります。
基本的に銀行取引はどういう形がいいのか整理してみますと、次のようになります。
①政府系金融機関は最終的には統合されるでしょうから、1行になる。
政府系金融機関も単に融資を増やすという対応ではなく(一般的な民間銀行ができる融資は縮小されていく、少なくとも貸出条件は一般銀行並みになる)、制度融資が使えるもの、即ち、工場建設等新事業分野に進出などについて取引をすることが基本になります。
②都市銀行は、SMBC、三菱東京UFJ、みずほ、りそな、というふうに極めて数が限られた形になっていく。
中小企業にとっては、まだまだハードルが高い。チェックリスト方式による短期貸付を利用するケースが生じるかもしれない程度である。
③地方銀行の統合、信用金庫などは進んでいく。
この結果、地方における身近な取引銀行は本当に2~3行に限られるようになっていく。従って、真っ正面からケンカすることは避けた方が良い。
私の意見は、金融機関は今自らの生き残りのために一生懸命です。即ち、自らの収益を上げるために活動しているという本来の姿が正しくあらわれてきています。
従って、金融機関の提案というものは別にその会社にとって役立つことを提案するのではなく、自らが儲けることを提案するというふうに割り切って考えた方が良い。
従って、金融機関を選ぶ目、金融機関を利用する能力というものが企業サイドに求められてくる。
基本的には、お金は新規に借りないという方針で臨むべきと考えます。また、設備投資等の資金は基本的には政府系金融機関の活用をまず考えるべきです。
更に、民間金融機関との取引において重要なファクターである信用保証協会の保証の率が企業の危険度について変わるという形になりました。最小0.5%~最大2.2%の金利差です。これは、決算内容や決算書の信用度等によって違うとされています。その具体的な詳細は公開されていませんが、ほぼ中小機構の経営自己診断の活用で対応できると思われます。
また、会計事務所としては、決算書についての責任が増してきているとも考えられます。会計事務所が中小企業会計書に従って決算書を作成しているということにサインすることにより、融資の金利が0.1%引き下げられるという制度が導入されています。ということは、チェックリストにきちんとサインできるようなきちんとした決算書を作成しておかねばならないということでもあります。
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