ペイオフ対策
ペイオフ対策は色々なビジネスの宣伝文句として使われています。先日、『ペイオフ対策のために不動産購入を』というチラシを見て笑ってしまいました。不動産投資がどうこうというわけではありません。賃貸住宅を購入し、それで収入を得るというのも損益はわかりませんが(将来の地価水準によって本質的な収益が確定するから)それはそれで一つの考え方でしょう。しかし、ペイオフ対策と不動産賃貸住宅購入は別という風に考えています。
アセットアロケーションの考え方です。まず、個人は財産蓄積を何でするか考える。普通は貯金でしょう。金融資産、それも預金からスタートしていく。ある程度預金に余裕が生まれると次に自分の自宅を購入する。自分の自宅は財産ではありません。生活必需品だと考えています。次に資金的に余裕が出てくるとその資金を何に運用していくか考える。株式で運用するかどうかということです。更に余裕が出てくると不動産投資あるいは美術品への投資へと色々な分野に分かれていくでしょう。まずアセットアロケーションがある。自分の財産のうち何割くらいをどれにどういう風な運用をしていくか。
ペイオフとは、ご存知のとおり金融機関に預けるお金についての話に過ぎません。それもあるかないか、起こるかどうかわからない極めて疑問性の高いリスクについての話です。それよりも不動産投資というものはもっとリスクが高い話です。リスクが高いということは、高い収益を得ることができるかもしれないし、逆に低い収益になる可能性もある話です。従って、ペイオフ対策と不動産投資とは全く別の世界の話のはずです。ペイオフ対策といえば、預金が多い方がその預金をほかのなんの金融資産に運用するか。他に運用する場合、リスクは高まりますが収益性の可能性も高まる。リスクというのはプラスに触れるリスクとマイナスに触れるリスクと両方があるわけです。
金融資産と」不動産は全く違う世界の話です。
ペイオフ対策という言葉はきれいですが、あまり物事を考えていない人が多いのだなぁという気がいたします。