うちの事務所はお客様の3分の1くらいが医業、病院や社会福祉法人(特別養護老人ホーム を経営)なので、医業研修会へ参加をしてきました。
やっぱり専門家は違うなと感じました。世の中の動き、例えば、税制の変更の動きなどは私の本業ですから常に気をつけて見ています。そうすると、個別に税法がどう変わる、ということの前に世の中の流れとして、或るいは国の政策として税制をこういうふうに持っていきたい税制はこういう方向へ動いていっている、従ってこのような税法改正が出てきた背景はこういうことであり、その先には恐らくこのような税制が実施されるであろうということが予測できます。
これは、私は会計事務所をやっていますから税制については大体わかります。お客様と話しをしていると同じようなことを感じます。それぞれ本業としているビジネスについては、それぞれの方向性について明確なビジョンを持っておられます。医業について真剣に見ている人はこういうふうに見ているのかと目が覚めるような思いでした。
教えてもらった話 病院について言うと、現在、医療費の高騰で国は困っています。従って、根本的なところで方向転換をしたというイメージです。
国は面倒を見切らん。地方自治体がんばってね。介護は市町村に医療は県に任せるからよろしくという感じでしょうか。
医療あるいは介護という世界では最低限のものは提供しましょう、しかし、それ以上に良いサービスを受けることについては自費でお願いしたいという発想です。つまり、今度から特別養護老人ホームでも個室については部屋代、食事代は自己負担になります。しかもその自己負担の額は自由に決めて良い。ということは、非常にいい設備を持って高い個室料、食事料を取るという施設(高級老人ホーム型)を目指す社会福祉法人が出てもいいでしょうし、逆に低料金型を目指すものをやってもいい。つまり、住むところはどこでも良いじゃないかという考え方への転向です。これは、医業でも明確に出てきています。いわゆる社会的に入院と呼ばれているようなもの(退院しても家族の受け入れができない、あるいは家族で面倒をみることができないような人)はアパートに住んでもいいでしょうし、病院に住んでもよい。そのかわり、アパート代(部屋代、食事代)はもらいますよ(自己負担ですよ)という考え方です。そして、できるだけ死ぬときは自宅で死んでほしいと言っています。
逆に言えばなぜか?病院に入っているとどうしても生かそうとする。生かそうとするということは、寝たきり状態になっただけではなく、意識がなくなった後も無理矢理チューブなどで胃に穴を開けたりして栄養を入れて生かしてしまう。ところが、それが自宅にいたら、果たしてそんなことをするのか?という話です。
以前、米国のお金持ちの本を読んでいて、医療費というのは死ぬ前の半年間に一生かかる医療費の8割を使ってしまうという本を読んで、本当かなというふうに思っていましたが、実際の数値の報告を見ていると、少なくとも寝たきりになった人は死ぬ前の3年間で膨大な金額(その方が払った医療保健費の金額を何倍か上回る金額)を使っているという統計を見ると国の方向について妥当だとは思いつつも極めて複雑な思いがいたします。
もう一つの流れ 、ある分野では自費という名前の自由競争、別の分野では自由競争の制限についてはお客様と話して意見を聞いてからお話しさせて頂きます。
しかし 医業介護の世界でビジネスをしていなくても 生活者としては お金を貯めなくてはという覚悟が定まる話ですではありました。
大変化です。しかしたかが郵便局の話で今のようにもめておいてこんな大改革ができるのかな。大改革だから国民にはよくわからない形でやってしまうのかな。
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