パートタイマーは社会保険に強制加入?
過去2年間の追加徴収続出
厚生年金健康保険(社会保険)は正社員は全員加入することになっています。最近問題視されているのはパートタイマーの方々です。パートタイマーの方は社会保険に入るとその社会保険のうち半分は自分の給料から差し引かれるので、夫の社会保険に加入しているからあえて社会保険料を払ってまで自分も別の社会保険に入りたくない、従って会社に対して社会保険に入れないで下さいと言われることがよくあるようです。また、逆に会社の方もパートタイマーの方を社会保険に加入させると社会保険料の半分は会社負担です。従って、人件費が実質的に高くなると言うことで、かつ、本人も社会保険加入を希望していないとして加入手続きをしていないケースも多いようです。
社会保険は希望して入るというものではなく、法律で入る入らないが強制されています。パートタイマーの方についても一定の条件を満たしていれば必ず加入しなければならない事になっています。逆に一定の条件を満たしていない方は本人が希望しても加入できないことになっています。一定の条件を満たしているかどうかは次のように定められています。
パートタイマーはその身分に関係なく、常用的使用関係にあるかどうかで資格 取得が決まります。その目安は、
①勤務時間が一般社員の月平均業務時間の4分の3以上かつ
②勤務日数が一般社員の月平均出勤日数の4分の3以上
であれば会社は社会保険に加入させなければなりません。
パートタイマーの方で本来は社会保険に加入しなければならない人が加入していなくても、見過ごされてきた傾向にありました。ところが皆様ご存じのように、健康保険や厚生年金のお金が足りないということが政治問題化して以来、何とか社会保険料を徴収しようというふうに社会保険事務所の取扱いが変わりました。そこで、国の指示を受け、地方の社会保険事務所も積極的に会社を訪問しパートタイマーの方で社会保険に加入すべき人たちを発見し、摘発しようと努力しています。これは国の方針として極めて強力に押し進められています。従ってその場合、これから社会保険料を支払っていくのではなく、過去2年間をさかのぼって追徴をするということになります。今から過去2年間分(従業員負担分)をパートの方から徴収するということは難しいので、結局は会社が過去2年間分を全額負担することになり、思わぬ負担増になっているケースも見聞しています。従って、会社としてはこのことを十分理解しておく必要があります。
○対策
①例えば社会保険に加入すべき人たちを必ず加入させることとし、採用の時点でそのことを通知すること。
②社会保険に加入しなければならない方、つまり勤務時間かつ勤務日数で、それぞれ一般社員の4分の 3以上になるパートタイマーは採用しない。ただし、それには会社の業務に差し支えがあるようですが。
結局国の財政が厳しいので、こんなところにしわ寄せがきているんですね。
次に、同族会社では社長の奥さんとかを非常勤取締役、監査役とかにするケースもよく見かけます。非常勤の場合は月に4分の3未満の出社しかしていないため、社会保険に加入できません。従って、御主人たる社長の社会保険に扶養家族として加入ということになっています。社会保険は本人の希望とか収入とかに関係ありませんので、十分お気をつけ下さい。
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