パソコン会計は常識
パソコン会計をきちんと導入することをお勧めします。わざわざ特別な会計システムをつくる会社もありますが、私の感覚では従業員30人以下の会社では特にシステムを作る必要はありません。せいぜい15~20万円の市販のソフトを使えば十分です。例えば勘定奉行や弥生会計は私のお気に入りです。また、給与計算はパソコンでやるのが常識でしょう。最近では2万円程度の簡単なソフトも出ています。
パソコン会計を導入すると楽なのは、経理の人がパート・アルバイトの人でも同じやり方を実行していくということです。つまり、経理の人が変わっても、一旦画一された経理のやり方(パソコンを導入すると強制的に同じやり方になります)に従わざるを得ないので経理のやり方は統一されます。だし、パソコン会計が思うように効果を発揮していない会社もあります。パソコン会計を導入したときに社長が期待しているのは、月次決算書が翌月すぐにでてくる、経理の作業時間が恐らく2~3割減る、予算管理や資金計画が楽になる等でしょう。しかしながら、これらの効果がうまくでていない会社もあります。
その原因はパソコン会計を導入したときに、その目的を明確に打ち出していないことにあります。作業時間の短縮、人員の削減、月次決算書の提出期限(翌月第○営業日)等をしっかり立てずに導入しているからです。つまり、従来のやり方を前提条件に集計作業だけパソコンを導入しても、経理業務の生産性向上は期待できません。まず、目的を明確にし、そのためにパソコンが本来予定しているやり方に合わせて、経理の従来のやり方を変えない限り、生産性の向上は見込めません。これからパソコンを導入しようという会社(そういう会社は極めて少数でしょうが)は目的をはっきりさせるべきですし、また、パソコン会計を導入しているがどうも効果が上がっていないという場合には、会計事務所などのように外部の人に経理の手続きのどこに問題があるのかを調査してもらい、会計の手続きのルールを確認してもらう必要があります。
尚、パソコン会計の問題点としてバージョンアップが出る、従って入れ替えのために毎年お金を払わなければならないという問題があります。毎年の保守費として2-3万円かかるようです。例えば、弥生会計では毎年新しいバージョンがでますし、勘定奉行も3~4年毎には新しいバージョンがでます。これらは実は、パソコン会計を作っている会社にとっては一回売り切ったものがいつまでも動いていたら困る、つまり新しい新製品が売れない、ということで少しだけシステムを改良して売っているわけです。いってみればWINDOWS95の後にWINDOWS98がでたようなものです。従って、新しい方がべんりになっていますし、性能も向上しています。しかし、本質的にはバージョンアップにつき合う必要はありません。一度買ったソフトをそのまま使っていけばよろしいということです。敢えて言えば、古いパソコン、例えばwidows95に対応していたソフトが、windowsXP(最新版)では動きませんので、パソコン機械そのものを買い変えたとき、あるいは消費税の税率等が変わったというような場合を除けば、従来のソフトを使っていようと問題ありません。
そういえば弥生会計の会社を買収したライブドアの堀江さんが弥生会計の保守料に魅力を感じたといっているとなにかの席で聞いたことがあります。
ただし 会計事務所側の人間としていわせてもらえば、やはり最新版を入れてもらった方が便利です。同じソフトでも古いバージョンのソフトで作られたデータを事務所のパソコン(当然ながら最新版のソフトが入っています)で読むのは大変なのです。
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