夢!魅力ある公認会計士
名古屋の続き 公認会計士協会研究大会の発表のテーマ
研究大会のテーマは『夢!魅力ある公認会計士』であった。
もともとこういうテーマは実際にできていないから掲げるというのが常識です。よく「整理整頓」と工場に掲げている会社の工場は整理整頓ができていないから整理整頓を掲げているのだという皮肉を聞いたことがあります。魅力ある公認会計士にしたいということでのテーマだということで、ほほえましく笑ってしまいました。
「現場の声(東海会会員等へのアンケート結果)から学ぶ監査の現状と将来~職業としての魅力と社会貢献の両立のために~」ということで発表が行われていました。私は参加していないので資料だけをいただきました。
「監査法人」というNHKのテレビドラマのおかげで公認会計士や監査法人がどういうことをやっているのかということが誤解されながらも(会計士の間では NHKのドラマは少し実態と違うといって批判が多いようです)世の中に少しは広まったとは思います。しかし、監査業務というのはなかなかしられていない世界です。
「監査業務は社会に貢献していると思いますか?」という質問に対し、公認会計士のうち、主に監査に従事している人たちは88%が「思う」もしくは「どちらかといえばそう思う」ということであり、監査に従事していない(コンサルティングや税務を中心に仕事をしている)会計士は96%が「そう思う」という回答をしているので、自分たちの中では大変社会に貢献している仕事だという自尊心はあると思います。
ただし、「子供に公認会計士になること、監査業務を勧めますか?」という質問では、主に監査に従事している人で「勧める」が8%、「どちらかといえば勧める」が40%で合計48%であり、非監査業務(コンサルティングや税務等)に従事している人は「勧める」が24%、「どちらかといえば勧める」が40%というように、社会的意義、プライドとは別にかなり下がってきていました。
勧めない理由は、長い労働時間(年間1000時間くらいは最近では当たり前のようです)と監査でトラブルが起きたときの処罰等のリスクの2つのようです。
アンケートの結果として、社会貢献、魅力ある職業となるには、監査時間報酬の引き上げ、このためには会計士の人数の増加及び当然ながら報酬の引き上げとリスクに見合った給与(意味するところは給料を上げろということです)のようです。
まあ、色々な統計があるようですが、日本の上場会社の平均監査報酬が約2500万円、アメリカの平均が1億2400万円程度とのことです。当然、企業の規模が違うので正確には言えないのですが、おそらく日本と米英を比較した場合、概ね監査時間数が2倍程度違うのではないかという統計があるようです。