不都合な真実
地球温暖化の緊急事態と我々ができること
(アル・ゴア著/ランダムハウス講談社)
地球温暖化についてアメリカ元副大統領アル・ゴアが書いた本であり、映画の書籍版です。
全世界的に温暖化が急速に進んでいること、そのために地球が危機に瀕していること、特に南極とグリーンランドの氷が溶けて海に流れ出してしまうために海面が6m上がってしまう危機が近づいているということを写真を中心に極めて強い説得力で訴えかけています。
また、アル・ゴア自身の人生を振り返りながら、なぜこのような活動に力を入れているのかということを心揺さぶるような書き方で書き進めています。
一番驚いたことは、地球温暖化について色々な意見がある、すなわち地球温暖化していないという意見もある、ということを思っていたのですが、それは全く間違いであるということです。
いわゆる過去10年間に論文審査を受けて学術論文誌に掲載された温暖化に関する記事928本のうち、地球温暖化とその原因が人間であることとする論文(温暖化の原因を100%人間の活動)が100%であり、違うとする記事がゼロであったということ。
逆に、これに対して石油会社等の働きかけ(?)で米国で最も影響力があると考えられている4大新聞(ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト他)に掲載された温暖化に関する記事のうち、温暖化の原因が人間の活動ではないということを述べるような割合は53%もあったということです。
すなわち、世間では科学界の共通認識となった考え方と人間は温暖化には関係していないという科学的信憑性のない考え方の方の両方がほぼ同じくらい信頼性の高い新聞等に掲載されている。この結果、人間が温暖化に与える影響を巡って科学界は大紛糾しているという印象を与えているわけです。
非常に衝撃的な本でした。
私の友達に正月に南極に行って来たという人がいて、アルゼンチンから船に乗り南極を2週間かけて見てくるのだそうですが、氷が相当とけているということを具体的に語ってくれたことが思い出されました。
特に、南極の氷が溶けると南極の氷は南極大陸の上に乗っているわけですので、南極大陸の氷が海の中に滑り落ち、海面が上昇してしまうという恐ろしい結果をもたらすわけです。それも少しづつ起こるのではなく 一度にドット起きる。
我々ひとりひとりができることをやろうというのがこの本の主張でもありました。
ただ難を言えば 我々一人一人ができることをやるぐらいでは 温暖化を食い止められないような気がします。。。。。。。。。。。