インフルエンザ予防接種
今日インフルエンザの予防接種を受けてきました。価格は3,675円です。
さて、思うこと。これは全額自己負担というか医業の世界では自費収入になります。消費税もかかります。そして健康保険からは1円も補助金がないので、3,675円の全額患者負担ということになります。
ところで、このような予防接種の費用は税法的には医療費控除の対象になりません。その理由は簡単で、税法には「医療費」と書いてあって「予防費」とは書いてないという極めて単純な話です。
更にこのことについて考えていったら色々な疑問がわいてきました。
健康な人からとった健康保険費用が病気の人への補助金になっているのです。単純に言えば、病気になって払う窓口負担金、基本的には医療費の30%とされています。70%は医療保険の方から払っています。これらの医療保険の拠出をしているのは一般的には国民全体が拠出し、国民全体が医療保険を使っている保険であるからという建前になっていますが、実際には若い世代の方が病気になりにくく医療保険料を負担し、年寄り世代の方が病気になりやすく医療費を使っているという構図です。
病気にならないようにしようというための予防接種などの費用が税金の医療費控除などのような税金の軽減策、つまり国からの補助金の対象にならず、どうして健康な人たちからの補助金をもとに医療費を消費している方々の方が更に医療費控除という名の国からの税金の軽減という補助金をもらえるのか、考えてみると馬鹿げた話です。
ますます税金を払う人はバカだという一部の人の声に耳を傾ける人が増えてくるでしょう。
医療費とか介護保険とかつくづく思うことは、いわゆる世間相場よりも安いということです。
なぜなら本人にとっては3割負担もしくは2割、1割負担です。つまり本当ならば1万円出さないと買えないものが3,000円なり2,000円、1,000円で買えるとすれば、社会的に言えば相当多額をムダに消費してしまうという論理、資本主義でいう「価格は市場で需要と供給が均衡するところで決まる」という論理に反しているのです。
おかしい。
ムダに使われてしまうと思います。おまけに医療費については税金を安くするという意味での補助金まで出してくれている。まったく割に合いません。
介護保険などでホテルコスト、即ち食事代等が保険の対象ではなく全額個人負担になったことで相当の抑制が始まったと聞いています。
つまり患者側の方からの抑制、つまり老人ホームや自宅にいるのと変わらないから病院に行かないという話です。食事代自己負担という名前であっても患者にとってみれば単なる値上げに等しいわけです。ということは、医療費を抑制するには医療費の単価を上げるのではなく医療費に伴う自己負担分の比率を上げるという方がより妥当性があるのではないでしょうか。
ただ、そうなると国の役割(国民からお金を集めてそれを分配するという国の役割)がなくなります。「分配する」ということは「使う」ということと同義語ですから官僚が大好きな話ですから実現は難しい問題ですね。
しかし 年金にしろ 国債にしろ 早い話がツケを将来に残している。自分たちの子や孫に借金を残している。 いわば 借金して 親が使い その返済は子供たちにさせていることとどこが違うのだろうか。
もし 個人でこのようなことをしていたら どう思いますか。。。。
予防接種を受けた後、予防接種料金が医療費控除の対象にならないという話がどんどん膨らんでそこまで考えてしまいました。
日本の医療が遅れているという一つの表れとしては、『ニューズウィーク11月1日号』の「世界の最先端医療・海外で頼れる日本人が知らない夢の治療法ベスト20」という記事を見て改めて思いました。